鹿児島からプログラミング全国大会で優勝を果たした小学生を紹介。
ある伝統文化への情熱が、彼女を突き動かしていた。

アプリのテーマは…鹿児島の伝統工芸品「大島紬」

鹿児島市にある鹿児島大学教育学部附属小学校。元気に登校する児童たちの中に彼女の姿があった。小田原叶和(おだはら・とわ)さん、小学6年生。

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授業中は真剣に先生の話を聞き、発表もハキハキ行う一見ごく普通の小学生。休み時間には友だちと女子トークに花を咲かせる。

同級生:
よく恋バナをします

叶和さん:
わたし、してません!

同級生:
してるじゃん!

叶和さん:
してないよ~

そんな叶和さんは放課後は毎日のように習い事に通っているそうだが、その中で「ゴールド」に輝いたものが。2年生のときから始めたプログラミングだ。

2021年に行われた全国選抜小学生プログラミング大会。鹿児島県代表として出場し、37組の中から見事、優勝した。
そのときに作ったアプリのタイトルは「未来へつむぐ大島紬」。

2021年、世界自然遺産に登録された鹿児島県・奄美大島の伝統工芸品「大島紬」をテーマにしたもの。

叶和さん:
着せ替えができて…いろんな柄があるっていうのが、この着せ替えでわかると思う

特にこだわったという、こんなゲームも。

叶和さん:
この矢印キーで実際に織ってるようにすることができる

ほかにも、自分で調べた大島紬の情報がたくさん詰まったオリジナルアプリ。
この日も、アプリの機能を増やそうとパソコンに向き合う。

叶和さん:
あーやってしまったかもしれない、わたし…消しちゃった…出てこない…

キッズプログラミング教室・伊牟田雅子代表:
ボタンが出てこないの?

悪戦苦闘しながらも、1時間ほどで新しい柄を追加させることに成功した。

「大島紬のこと、みんなに楽しく知ってほしい」

叶和さんがプログラミングに熱中する理由は…

叶和さん:
社会科の授業で調べてみようと思って、大島紬を調べていくうちに、担い手不足が深刻なことや、買ったり作ったり広めたりする人が減少していることを知って、そのことをみんなに楽しく知ってもらいたいと思ったのがアプリのきっかけ

きっかけは授業で学んだこと
きっかけは授業で学んだこと

大島紬に興味を抱き、実際に奄美大島にも足を運んで、その製作工程や歴史を学んだ。

叶和さん:
これ龍郷柄(たつごうがら)って言って、赤い部分がソテツの実を表していて、ここのV字の部分がソテツの葉を表していて、奄美の自然を表している柄です

鹿児島にこんなに素敵な織物があることを、いろんな人に知ってほしい。その一心で勝ち取った優勝だった。

叶和さん:
まさか自分が優勝できるとは思ってませんでした。お母さんも「きゃー!」ってなってて

叶和さんの母・寿美さん:
プログラミング学習を通して、最後までとにかくやり遂げるっていうことを学んでいると思うので、それをこれからの人生に生かしてほしいと思っています 

自分が興味を持ったことにとことん突き進む、好奇心旺盛な叶和さん。将来は別の方法で大島紬を広めたいと意気込んでいる。

叶和さん:
将来の夢は、自分で調べて伝えるアナウンサーになること。大島紬の良さを、テレビを通じて視聴者に届けるというのがいいなと思います

歴史ある伝統工芸品の継承。その一翼を担うかもしれない、鹿児島のキッズたちだ。

(鹿児島テレビ)

鹿児島テレビ
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