鹿児島唯一の百貨店・山形屋 “試食なし”など感染対策を徹底…コロナ禍での物産展「人のつながり大切に」 
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鹿児島唯一の百貨店・山形屋 “試食なし”など感染対策を徹底…コロナ禍での物産展「人のつながり大切に」 

イベントの開催は感染の波に大きく左右され、主催者はたびたび難しい判断を迫られてきた。コロナ禍3年目の今、毎年多くの人が訪れる鹿児島市の百貨店・山形屋の北海道物産展を通して見えてきた、イベント開催の“現在地”について考える。

イベントでの県内クラスターは約1.4%だが

年間を通じてさまざまな催しを企画する、鹿児島市の百貨店「山形屋」。

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高吉友佳記者:
6階の催し場です。北海道物産展開幕を前日に急ピッチで準備が進められています

年2回開かれる北海道物産展は、山形屋のイベントで一番の売り上げと動員を誇る。イベント初日の前日、出店者に呼びかけられたのは「感染対策の徹底」だった。

出店者に呼びかける担当者:
大変多くのお客さまが来ますので、密にならないか、自分たちの売り場の目の前のチェックもしていただきたいと思います

感染対策を出店者に呼びかけ

この北海道物産展、2020年は新型コロナの感染拡大で、初夏と秋ともに開催中止を余儀なくされた。北海道旭川市から10年以上にわたって参加している“常連”の男性は、当時の複雑な思いを振り返える。

諸国名産珍味 南部・山西利幸さん:
何年かぶりに地元、旭川で桜が見られた。だけどそれが良いことなのか悪いことなのか、鹿児島での物産展ができなかった時はやっぱりさみしかったです

新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年、鹿児島県内では3月に予定されていた鹿児島マラソンなどのスポーツ大会や学校行事、大小さまざまなイベントが延期や中止となった。

コロナ禍も3年目に入ったが、オミクロン株の出現などで感染者の増加傾向に歯止めがかからない。イベントの主催者は現在も難しい判断を迫られている。

鹿児島県内で2022年5月26日までに発生した新型コロナのクラスター140件のうち、イベントによるものは2件で全体の1.4%程度だが、依然猛威をふるうコロナを相手に、どうすれば参加者の安心と安全を確保できるのか。

待ちに待った北海道物産店 常連客と再会

2021年から規模を縮小して再開された北海道物産展では、入場の際の検温や消毒をはじめ、会場内の人数を制限。さらに会場も最大5カ所に分散させ、通路の幅なども広げた。

訪れた人:
いいですよね、どこにも体温を測る機械があるし。旅行もできないから、こういう時に買いたい

一方、売り上げに直結する「試食」については、換気が十分な屋外の会場を除き、安全を最優先に考え今回も行わないことにした。試食ができない中、商品の良さをどう伝えるか。出店者も試行錯誤しながら顧客の新規開拓を目指す。

じっくり焙煎した黒豆茶が売れ筋の店では、黒豆茶を1杯分ずつ小分けに袋詰めして配り、自宅で試飲してもらうことに。

三葉製菓(旭川市)・草場健太さん:
飲んでもらうとおいしいんですけど、なかなか味がわからないと買いづらい商品ではあるので…。物産展をやってくれるだけで、常連さんが来てくれる。本当にありがたい

物産展には売り上げ以外にもうひとつ、大切なものがあるという。それは、お客さんとのコミュニケーション。

常連客:
何年かな?3年

木の屋(小樽市)・吉野康司さん:
5年くらいかな?通っていただいて

常連客:
大好きで、ここのふりかけが

20年以上にわたって鹿児島で出店している吉野さん。常連客との再会に笑顔がこぼれる。

常連客:
また来てください

木の屋(小樽市)・吉野康司さん:
そうですよね。コロナに負けないように頑張ってまいりますので

木の屋(小樽市)・吉野康司さん:
常連客が(鹿児島の郷土菓子)かるかんを持って来てくださったり、ちょっと申し訳ない思いでいただいたりもするんですけど。そういう優しさが、ここに来る楽しみでもあるんですよね

一律中止は必要ない 屋内での試食緩和も検討

国も人数制限緩和などの方針を示す中、今後のイベント開催のあり方について感染症の専門家はこう話す。

鹿児島大学大学院・西順一郎教授(感染症学):
感染が怖いからイベントをしないと、一律にする必要はもうない時期だと思います。イベントの意義と感染対策、そして感染のリスクを比較して、それぞれ評価して開催の判断をしていただくことが大事かなと思います

山形屋でも、今後は屋内での試食も少しずつ緩和することを検討している。

山形屋・山口政博食品統括部長:
やはり物産展というのは、人と人のつながりも非常に大事にされていると思います。「また北海道のあの人と会えるかな」というのを楽しみにしているお客さまもいらっしゃると思いますので、そこは私たちも大切にしております

コロナ禍も3年目、感染対策としてオンラインで行われるイベントも増えているが、人と人がリアルでつながる場所を守るために、現場での模索は続いている。

(鹿児島テレビ)

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