2022年4月、帰宅時間帯の北海道札幌市中心部で突然、発生した停電。この停電の原因となったのは"カラス"ではないか、とみられている。子育て時期に入り活動を活発化するカラス。私たちの暮らしにもさまざまな影響が出てきそうだ。

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原因は"ハンガー"か カラスの営巣で停電に

札幌市中央区・中島公園近くの住宅街で、4月、1420戸が突然停電した。信号も消え、交差点では警察官が手信号で交通整理に当たるなど大きな影響が出たが、この停電の原因がカラスである可能性が出てきた。

北海道電力によると、カラスがハンガーを電力設備に接触させたことで、停電が発生した可能性があるという。
なぜ、カラスがハンガーを…?カラスの生態に詳しい、中村眞樹子さんに話を聞いた。

「カラスにとっては電柱も木もわからない」作りやすい電柱に巣

NPO法人札幌カラス研究会中村 眞樹子さん:
この時期、カラスは子育てを始めて巣を作る。土台部分にはハンガーが好まれるので集めている

例年、4月から7月にかけて、カラスは子育ての時期を迎える。木の枝や金属製のハンガーを集めて電柱や街路樹に巣を作り、子育てをするが、このハンガーが電線と接触するなどして漏電・停電につながるという。

NPO法人札幌カラス研究会中村 眞樹子さん:
フレームがたくさんある電柱が巣を作りやすい。フレームを土台にして、木の枝やハンガーを積み上げる。カラスにとっては電柱も木も、感覚的にはかわらない。たまたま選んだのが電柱だった

北海道電力では電柱に巣を作らせないよう、風車などの器具を設置している。

また、見回りで停電の原因となりそうな巣を発見したら、市町村に届け出た上で撤去している。

子育て中のカラスに注意!「近寄られたくない」威嚇や攻撃も

さらにこれからの季節は、子育て中のカラスによる人への威嚇や攻撃にも注意が必要だ。

NPO法人札幌カラス研究会中村 眞樹子さん:
巣の周りに誰も入ってきてほしくない。人が来ると嫌だから低空飛行したり、後ろから頭を蹴ったりする

中村さんによると、子育て中のカラスの巣には近づかない、襲われそうになった際は両手を上げて通り過ぎるのが効果的だということだ。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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