愛媛・砥部町の山あいにある古い神社で2022年に入り、ある“騒動”が起きた。地元の住民の絆と奮闘で今回は解決はしたものの、この先はどうなるのか。

鳥居に飾られていた「しめ縄」が…

急な岩壁を上る白装束の信者たち。砥部町の広田地区にある権現山。「広田石鎚」とも呼ばれ、古くから山岳信仰の地として知られている。

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その権現山のふもとにあるのが豊峰神社。2022年に入り、地元の住民がある異変に気づいた。

総森三島神社・藤原俊彦宮総代:
朽ちて落ちていたので、「これはいかんだろう」ということで

鳥居に飾られていた「しめ縄」がちぎれていた。見つかったのは2022年1月、長い間に風や雨にさらされ続け、朽ちてしまったと見られる。

通常なら「しめ縄」が新調されるところだが、今回は困ったことが…。この神社を管理する地元のグループが、メンバーの高齢化で3年前に解散してしまっていた。手付かずの事態を救ったのが、同じ地区に住む住民の絆だった。

しめ縄の作り方を次世代に伝授

しめ縄づくりのベテラン・大森利雄さん:
これをここに回す。根元で

写真左側:大森利雄さん
写真左側:大森利雄さん

救世主は、豊峰神社と同じ集落にある総森三島神社の宮総代ら。新しい「しめ縄」作りを買って出てくれた。17日、神社に集まったのは地元の住民約20人で、ベテラン勢が昔から伝わる巻き方や編み方を教える。

しめ縄づくりのベテラン・大森利雄さん:
自分は14、15年前に宮司に教えてもらった。宮司さんに「覚えとけよ」と

しめ縄作りを買って出たのは、地域文化の伝承が狙いのひとつ。

総森三島神社・藤原俊彦宮総代:
今の広田地区を考えると、なかなか「次世代」というのが読めないので、今できる限り習慣とか、こういったものが受け継いでいけたらということで

豊峰神社に再び飾られた「しめ縄」。
しかし、今後の管理や運営は白紙の状態。

総森三島神社宮の総代は、解散した豊峰神社のグループに代わり、存続に向けて集落全体で協議していきたいとしている。

広田地区に押し寄せる高齢化の波から地域の文化や資源をどう守るのか、模索が続く。

(テレビ愛媛)

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