ウクライナを侵攻するロシア軍は、南東部のマリウポリへの攻勢をさらに強めています。
ロシア側は、マリウポリの製鉄所に立てこもるウクライナ軍などに対し、日本時間17日の午後7時までの降伏を迫り、「抵抗を続ければ全滅させる」と警告していました。これに対し、ウクライナ側は“徹底抗戦”の構えを見せています。
製鉄所で徹底抗戦…アゾフ大隊とは?
シュミハリ首相:
(マリウポリ市は)陥落していない。我が軍と兵隊はまだ残っていて、最後まで戦う
ロシア国防省によると、市内のアゾフスタル製鉄所を拠点におよそ2500人のウクライナ部隊が抵抗を続けているといいます。そのほとんどが、「アゾフ大隊」というマリウポリを拠点とする精鋭部隊。


2014年にウクライナ政府の直轄部隊となり、ロシアよるクリミアを併合の際などに激しい抵抗を繰り広げてきました。

アゾフ大隊の司令官は19日、FNNのインタビューに応じ、降伏の期限とされた17日夜以降、ミサイルによる攻撃が激しくなったと証言しました。
アゾフ大隊 マクシム・ゾリン司令官:
1時間おきに攻撃されている。毎日民間人が亡くなっていて、多くの遺体が放置されている

激しい攻撃を受けても「最後まで戦う」と語った司令官。
その「アゾフ大隊」が最後の戦いを繰り広げている「アゾフスタル製鉄所」とは、どのような場所なのでしょうか。
“最後の砦”アゾフスタル製鉄所 地下に市民も避難
「ドネツク人民共和国」と名乗る親ロシア派武装勢力の副司令官は…
親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」バスーリン副司令官:
ウクライナ軍がいる製鉄所は要塞のようで、攻めるのが非常に難しい
これは軍事侵攻前に撮影したとみられるアゾフスタル製鉄所内部の映像です。


溶鉱炉や無数の鉄柱が並び巨大な設備やコンテナのようなものも至る所に見られます。

迷路のように複雑に入り組んでいて死角が多いため、ロシア軍としては攻略が難しいといいます。
これは製鉄所内に攻め込んでいるとみられるロシア側の部隊の映像。


停電しているのか、真っ暗な空間を手探りで進むしかありません。ウクライナ側に待ち伏せされるリスクも高く、攻めあぐねてきたのだといいます。

一方、製鉄所にはウクライナの一般市民も多数避難。長期化により、食料や水が底を尽きそうだといいます。マリウポリ市が投稿した避難している人達の映像には…
――お名前は?
アリスちゃん:
アリス…
――いまどこにいるの?
アリスちゃん:
地下のシェルター。自分の家に帰りたい

製鉄所の地下にあるシェルターに避難しているとみられる、アリスちゃん4歳。

避難生活はすでに1カ月半にも及んでいます。
(めざまし8 4月19日放送)