森のない都市部の街でも木のぬくもりを暮らしに生かす「木材の地産地消」ができる。

川口市内の木材を活用

木製のペーパーナイフにカタカタと音を立てて動く木のおもちゃ。使われているのはある特徴をもった木材だ。

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こまむぐ代表取締役・小松和人さん:
川口市内でも結構たくさんとれるので、こういう丸太の状態のものを使っておもちゃを制作しています。

埼玉県川口市に工房を構えるおもちゃメーカー「こまむぐ」。幼少期の「遊び」を成長の機会ととらえ、シンプルながら感性を育むことを意識したおもちゃ作りを行ってきた。

そんな温かみのある木のおもちゃが看板商品のこちらの企業では2021年、市内の木材を活用した製品づくりを行う 「マチノキ・プロジェクト」を立ち上げた。

山のように積み上がっているのは市内で剪定された街路樹や庭木など。これまでチップや薪などに加工されていたが、木材として使われることのなかったこれらの木が 「マチノキ・プロジェクト」の原材料となっている。

日生グリーン代表取締役・大谷和也さん:
(剪定した木材は)例えば大型トラック何台分だとかそういう量で、都市型林業というかこれをなんとかさまざまな製品にして世に出していくことができれば木のごみの削減にもつながるし、SDGsの活用方法になるんじゃないか。

造園や樹木処理を手掛ける企業と手を組むことで 「川口市の木」としてこれらの木をモノづくりに生かす仕組みを作ろうと考えた。

既に2021年実施したクラウドファンディングの返礼品や市内のイベントの記念品として提供されているこれらの製品。ゆくゆくは市民に届けることで、 木材の「地産地消」モデルを作りたいという。

こまむぐ代表取締役・小松和人さん:
僕らのやる仕事はおもちゃ会社なので、子供たちのことだから常に未来づくりだなと思っています。身近にある公園に生えてる木かもしれないし、自宅の庭にあるものかもしれない、道を歩いててある街路樹かもしれない。こういった木材からモノが生み出されていくんだというような価値観を次の世代の子供達に伝えたい。

木のぬくもりに親しむ「木育」

内田嶺衣奈キャスター:
コミュニティデザイナーでstudio-L代表の山崎亮さんに聞きます。今回の試みはどうご覧になりましたか?

studio-L代表・山崎亮さん:
街路樹や公園の樹木などは多くの場合、人間の都合で植えられたもので、それをまた人間の都合で切るのはできれば避けたいことです。ただ、倒木によって子どもがケガをするなどの危険性がある場合はどうしても切らざるを得ないこともある。それなら、伐採された樹木を廃棄物として処理するのではなく、加工して木製品として使った方がいい。これは素晴らしいアイデアだと思います。

内田キャスター:
街の樹木がみんなから愛されるオモチャに生まれ変わる素敵な取り組みですね。

山崎亮さん:
木で育つと書いて 「木育」という取り組みがあります。子供の頃からぬくもりのある木製品に親しんでいると大人になってからも木製品を使った暮らしを好む傾向があるそうです。

今回のように廃棄されるはずだった街の樹木が木製のおもちゃに変わると、森や木が循環利用可能な再生資源であることを学ぶきっかけになると思います。さらに、子供の頃に親しんでいた木製のおもちゃを親になって自分の子供が使うようになると人と木の循環がシンクロすることになる。

あくまで廃棄される樹木からつくるため小ロットの生産が前提となりますが、「子供のために買ってあげたいな」と思うような優れたデザインが出てくることに期待したいです。

内田キャスター:
木のぬくもりを感じながら木の循環について学ぶ、それが世代を超えてつながっていくといいですね。

(「Live News α」4月11日放送分)

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