服やぬいぐるみに、いつの間にかほつれが…。そんな時は裁縫箱から針と糸を取り出し、ササッと縫い合わせるのが一般的だろう。

しかし今、あまりにも本格的な“縫合”をぬいぐるみに施してしまった、ある男性の写真が話題になっている。

なんか需要ありそうなんで。 バリィさんの裂傷を、外科医の夫が真皮埋没法で縫合した時の記録です。

この記事の画像(7枚)

この写真を投稿したのは、障がい者自立支援の協同組合を運営している、Twitterユーザーのトラ理事長秘書(@kameyam45359686)さん。

写っているのはトラ理事長秘書さんの旦那さんで、テーブルに乗っているのは、愛媛県今治市のPRマスコットキャラクター「バリィさん」のぬいぐるみだ。

ぬいぐるみは、飼っている猫がくわえて遊んでいるうちに破れてしまったそうで、おしりの部分に丸く穴が開いてしまっているのだが、そんな“負傷”したぬいぐるみを前に名乗りを上げたのが、現役の外科医だという旦那さん!

さっそく、サージカルルーペや鉗子、ピンセットなどの本格的な手術道具をずらりと用意し、縫合が始まったという。

ルーペを装着し、“傷口”にライトを照射。皮膚ならぬ生地をサクサクと縫い進め、見事ぬいぐるみの穴はきれいに塞がった。

ふわふわのかわいいぬいぐるみを前に、真剣な表情で手術道具を操る旦那さんの佇まいに思わずにこりとしまう一連の投稿。

投稿には「専門家に治療してもらえるなんて!」「真面目な感じが凄くいい」などのコメントが寄せられたほか、「抜糸は何日後くらいになるんでしょうか…?​」などの質問に対し、トラ理事長秘書さんから「溶けるタイプの糸なんで抜糸の必要はありません」と“お医者さんネタ”で回答が送られる一幕があり、2万件を超える「いいね」がつく人気となった(4月12日現在)。

手術道具の方が「やりやすい」

まさかの場面で活躍した技術だが、もしかして普段から縫い物といえばこのスタイルなのだろうか。さっそく、トラ理事長秘書さんにお話を聞いてみた。

――旦那さんが「ぬいぐるみの手術」をしたきっかけは?

毎晩夫が手術手技の訓練をしていたので、「ついでに縫って」と私が頼みました。


――この手術道具はなぜ手元にあったの?

自宅での練習用に夫が自分で購入したものです。このごろ夫は指導医で、自分が縫うことはほとんどなかったのですが、夫曰く「大出血などが起こった時、とっさに1針縫う事で止血して人の命を救えることがある。だからいつでも縫えるように」と毎日寝る前に縫合の訓練をしていました。

“手術中”の手元はこんな感じ

――普通の針よりも、手術道具を使った方が綺麗に仕上がる?

夫曰く、ぬいぐるみのように立体的なものを縫うのは、U字に曲がった手術用の針の方がやりやすいそうです。


――ちなみに「真皮埋没法」とはどんな技術なの?

皮膚を裏側(真皮側)から透明な細い糸で盛り上げて縫う方法で、縫い目が表面に出ないので、傷跡を目立ちにくくしたい場所を縫う縫い方です。

息子のランドセルもサクサク補修

――他にも手術の技術を生かした場面はある?

子供たちの学校に持っていく雑巾を縫ったり、もっと大きなぬいぐるみの縫合をしてくれたりもしました。あとはよく夫は鶏ハムを作るのですが、皮や脂肪を身から異常に綺麗に剥離してくれます(笑)


――この“バズ”を旦那さんは知っている?

はい。夫も「そんなに変わったことなのか」と驚いてます。


――大きな反響がありましたが…

うちでは夫の見慣れた光景が、他の方にこんなに面白がっていただけるのかと驚きました。

ランドセルの補修にも手術道具が!

毎晩、自宅で縫合の練習をしているため、その一環で今回の“手術”をしたという旦那さん。

人間とぬいぐるみではもちろんかなりの差があるだろうが、縫合の技術は普段の生活の中でいろいろ活躍しているそうで、当時小学生だった息子さんのランドセルが「卒業まで数週間」というタイミングで壊れてしまった時も、ササッと縫ってくれたそうだ。

思いがけない場面で活躍した、旦那さんの手術のスキル。ほっこりする写真の裏には、命を確実に助けられるために…と積み重ねられている確かな技術があった。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。

メディア
記事 4546