東京・練馬区にある100円ショップ「イエローポケット」。

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店内を見てみると、乾電池は値上げされ「132円」になっていた。

人件費や石油の高騰…20年ぶりの円安でダメ押し

イエローポケットマネージャー・三坂文江さん:
中国などでも人件費が上がってきて。石油の高騰もあり、厳しい状況にはなってきていますね

様々な理由で値上げせざるを得なかったというが、今さらなる懸念が…

イエローポケットマネージャー・三坂文江さん:
海外の商品が多くなるので円安は死活問題です。メーカーから値上げの連絡が非常に多くなってきている。値上がりすることによって「もうこの商品は扱えない」というものも出てきています

「円安のメリット全くない」との声… 専門家は「約2兆円の損失」

1カ月の円相場を見てみると、3月10日頃までの1ドル=115円台から急速に円安が進み、4月13日は一時、1ドル=126円台と約20年ぶりとなる円安ドル高水準になった

これを受けて4月14日、ユニクロなどを運営するファーストリテイリングの柳井会長兼社長は…

ファーストリテイング・柳井正 会長兼社長:
円安のメリットは全くありません。日本全体でみるとデメリットばかりだ

経済の専門家にも話を聞いた。

みずほリサーチ&テクノロジーズ上席主任エコノミスト・酒井才介氏:
(3月の後半以降)想定を上回るスピードで円安が進んだ。(日本企業に)だいたい2兆円弱の損失が発生したとみています

食卓にも影響が…輸入食材店やステーキ店も苦境 さらなる円安も?

影響は、私たちの食卓にも及んでいる。東京・銀座にある輸入食材店「VENTI PINO」では…

VENTI PINO・松村賢 営業部長:
最初はコロナで、次に円安になり、ウクライナで紛争があって原料が調達できないというトリプルパンチ

ワインや生ハム、チーズなど、イタリアから直輸入した400種類もの良質な食品を、リーズナブルな価格で提供することをモットーにしているということだが…

VENTI PINO・松村賢 営業部長:
こちらのオリーブオイルは今950円で販売しているが、6月1日から1100円と価格改定になる。平均すると20%前後(の値上げ)です。(扱っている)全品目です

東京・武蔵野市にある「やっぱりステーキ吉祥寺店」でも苦境に直面している。この店では、アメリカ産やオーストラリア産などの牛肉を1000円で食べられるステーキが一番人気なのだが…

やっぱりステーキ戦略兼社長室・赤塚威 部長:
1000円という価格にこだわっている。(牛肉が値上げされると)それができなくなる可能性がある

では、今後の円安の見通しはどうなるのか。

みずほリサーチ&テクノロジーズ上席主任エコノミスト・酒井才介氏:
今後少なくとも1年は円安が続く可能性が高い。135円まで円安が進んでいく可能性がある。衣服であるとか電子部品、スマートフォンなど幅広い製品の値段が上がる可能性がある

(「めざましテレビ」4月13日放送より)