ロシア軍の包囲が続くウクライナのマリウポリには約13万人の市民が取り残されているといいます。「めざまし8」は、その市民達を救出すべく動いている赤十字のスタッフを独自取材。マリウポリの状況や中々救出できない現状に迫りました。

赤十字 4月1日マリウポリに入れず

現在、ウクライナの赤十字は、赤十字国際委員会とともに薬や食料、日用品など、物資の支給をはじめ、市民を紛争地域から避難させるための手助けなどをしています。ウクライナで活動する赤十字のスタッフがこれから入ろうとしているのは。

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赤十字のスタッフ:
私たちはザポリージャという街に到着しました。私たちがここに来た理由は、マリウポリから逃げたい市民を安全に避難させるためです。

激しい戦闘が続く、南東部のマリウポリです。マリウポリはロシア軍に包囲され、今も多くの市民が取り残されています。市長によると、13万人の市民が市内に残っているということです。

赤十字のスタッフ:
私たちはすでにザポリージャを出発し、マリウポリの住民を安全な街に速やかに避難させるため現地へ向かっています。

赤十字は4月1日、住民の避難を支援するため、市内に入ろうとしましたが断念しています。その後、マリウポリに入ることはできたのでしょうか。「めざまし8」は、赤十字国際委員会のスタッフにも話を聞きました。

最優先事項は「要支援者への接触」

赤十字国際委員会 広報官 アリョーナ・シネンコさん:
私たちは緊急人道支援を行っています。ウクライナ国内の様々な場所で我々のチームが活動しています。

取材に応えてくれたのは、ウクライナで活動を続けている、赤十字国際委員会のアリョーナ・シネンコさんです。激戦地・マリウポリに取り残された13万人の市民の避難を支援するためスタッフが現地に向かっているといいます。しかし。

赤十字国際委員会 広報官 アリョーナ・シネンコさん:
残念ながら活動できていません。何日も試みてはいますが、まだ実現できていません。

シネンコさんによれば、紛争地域に人道支援に入るためには、ウクライナとロシア、双方の合意がないと実現しないといいます。

赤十字国際委員会 広報官 アリョーナ・シネンコさん:
多くの人たちが安全な経路が確保されていないものの、しびれを切らして街から逃げるため、危険な状態となっています。一方で、街に残ることを選ぶ人もいます。

合意を得るために、何日も働きかけているといいますが、実現しないのが現状だといいます。

赤十字国際委員会 広報官 アリョーナ・シネンコさん:
我々にとっての最優先事項はまずは支援を必要としている人たちに接触することです。そして、家族を離れ離れにさせないということです。

(「めざまし8」4月5日放送)