“核搭載”のロシア軍機がスウェーデンの領空を侵犯したことを受けて、めざまし8はアメリカのシンクタンクに所属する元米空軍パイロットを取材。さらに、核戦争が始まるとどれだけの被害が出てしまうのか、シミュレーションで検証しました。

スウェーデン領空に核搭載機か「攻撃をエスカレートする可能性」

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元米空軍パイロット マーク・グンジンガー氏:
領空を侵犯したことに驚きはないが、ロシア軍記に核兵器が搭載されていたかもしれないことには驚きだ。これは挑発的な行為だ。

日本時間の4月1日未明、めざまし8が取材したのは、アメリカ空軍に30年所属し、国防次官補代理を務めた、マーク・グンジンガー氏。彼が言及したのは、今、緊張が高まるロシア軍の核兵器使用についてです。

3月30日現地メディアは、スウェーデンの領空を侵犯したと報じられた4機のロシア軍機のうちの2機が「核兵器」を搭載していたと伝えました。この2機は、ロシアの「スホーイ24」と呼ばれる戦闘爆撃機。これについてグンジンガー氏は。

元米空軍パイロット マーク・グンジンガー氏:
実際に核兵器を搭載していたとしたら、間違いなくプーチンによる指示だ。キーウ(キエフ)に核兵器を使用されたら、被害は計り知れない。近代都市として存在できなくなるだろう。

ロシア軍機に搭載されていたとみられる核兵器。ロシアはウクライナ侵攻後、核の使用をにおわせてきました。侵攻から3日後には、プーチン大統領が西側諸国からの経済制裁を受け、抑止力を引き上げ、特別な戦闘任務へ切り替えるよう命じています。
こうした状況の中、核兵器を積んだロシア軍機はおよそ1分間にわたってスウェーデン南東部のゴットランド島上空に侵入していたといいます。スウェーデンは、NATO・北大西洋条約機構に加盟していませんが、ロシアのウクライナ侵攻後、加盟論が強まっていました。一体、ロシアの狙いとは何なのでしょうか。

元米空軍パイロット マーク・グンジンガー氏:
プーチンは失敗することを全く考えていない。必要であれば、勝利をつかむために攻撃をエスカレートさせるかもしれません。

実際、ロシアと西側諸国で核戦争が勃発した場合、どれだけの被害が出てしまうのでしょうか。アメリカ・プリンストン大学の研究室が、現在配備されている核兵器、軍事力など様々なデータからシミュレーションした映像を見ていきます。

核戦争シミュレーション 悲惨な想定

シミュレーションを見てみると、まずはロシア側がヨーロッパへNATOを威嚇する一発の核兵器を放ちます。

これに対し、青色で示されたNATO側が報復として、空爆を決行。すると、ロシアは…

およそ300発もの核弾頭で、NATO各国の基地や、都市部を爆撃。

NATOも180発の核で応戦。最初の核発射から3時間ほどで、死傷者数はおよそ260万人に上るとしています。

さらに、核の応酬はエスカレート。アメリカがロシアに向けて核ミサイルを発射。

これにロシアも応戦。攻撃の範囲はアメリカ主要都市まで広がります。そして、核兵器が使用されてからわずか4時間半後には、9000万人以上の死傷者が出ると想定されているのです。決して、起こしていいわけのない核戦争。

鍵を握るプーチン大統領は3月30日、ドイツ・イタリアの首相と相次いで会談。イタリアのドラギ首相によると、プーチン大統領は、「ゼレンスキー大統領との会談は時期尚早だ」と発言していたといいます。両首脳同士の歩み寄りにはまだ早いとの考えを示しましたが、29日の停戦協議では、ロシア側は首都キーウ近郊での軍事作戦を縮小すると表明。実際、アメリカ国防総省は、ロシア軍が制圧していた北部のチョルノービリ原発周辺から撤収、ベラルーシへ移動していることを明らかにしました。

さらに、ロイター通信によると、ロシア兵たちはチョルノービリでも放射線量の高い“赤い森”と呼ばれる立ち入り禁止区域を、防護装備を身につけず軍用車両で走行。その際、放射性物質を含むほこりが巻きあがる様子が目撃されていて、現場の作業員らによると、吸い込めば、体内で内部被ばくを引き起こす可能性があるといいます。
そして、ウクライナ原子力発電公社も、放射線への懸念から、ロシア兵士の間で暴動が始まりそうだったという情報を確認。これが、ロシア軍が撤退した背景にあると示唆しました。重大な事故を引き起こす可能性がある原発の安全は守られるのでしょうか。

NATO ストルテンベルグ事務総長:
私たちの情報によれば、ロシアの部隊は撤退しておらず、再配置をしている。キーウや他の都市への圧力を維持しており、さらなる攻撃に苦しむことが予想される。

停戦に向けての交渉が前進するのか依然不透明な情勢です。

(「めざまし8」 4月1日放送)