瀬戸内の海に浮かぶ島だけの自治体・上島町で、ついに「ゆめしま海道」が開通。
構想から半世紀、4つの島を3つの橋でつなぐ、まさに「ゆめの架け橋」。
この橋の効果や島の魅力とは?さっそく橋を通ってみた。

岩城橋の開通で「ゆめしま海道」がついに完成

上島町で3月20日に開通したのは、岩城島と生名島を結ぶ「岩城橋」。
橋の長さは916メートル、高さ137.5メートルの斜張橋。

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上島町は、瀬戸内に浮かぶ愛媛でただ1つの島だけの自治体。
町内には、これまで1996年に弓削島と佐島を結ぶ長さ576メートルの「弓削大橋」。
そして、2011年に佐島と生名島を結ぶ「生名橋」が開通。
岩城橋の開通で、ついに上島町の4島が3つの橋でつながり、愛媛県が構想から半世紀をかけた「ゆめしま海道」が完成した。

狙いは住民の生活の向上や、観光客の誘致。

岩城島民:
生名島で仕事をしているんですけど、船通勤だったのが橋を通って通勤できるようになって、船の時間を気にせず仕事できるようになったのが一番ありがたいし、うれしいです

店舗の経営者:
いろんな人が来てくれたらいいなと思います。桜とか見頃の時には、たくさんの人が来てくれるんじゃないかと

4つの島を渡るのにかかる時間はわずか17分

福吉貴文アナウンサー:
新しい岩城橋、車で渡るとどれぐらいで渡れるのか、さっそく行ってきます

新しい橋から見える瀬戸内の海、爽快な眺め。

福吉貴​文アナウンサー:
お隣の島、生名島の生名港に到着しました。その時間はわずか3分です

これまで、岩城島から生名島へ行くには2つのフェリーを乗り継ぎ、広島の因島を経由するルートしかなく、15分ほどかかっていた。橋を渡れば5分の1に短縮。

それでは、4つの島を渡りきる通過時間は…

福吉貴文アナウンサー:
岩城島に到着しました。その時間、わずか17分です。4つの島を17分で、これなら島めぐりも楽々ですね

陸路でつながれた上島町に広がるのは、ノスタルジーな瀬戸内の光景。

さっそく、愛媛県外からサイクリストらも訪れている。

東京から訪れたサイクリスト:
新しい道は気持ちいいですね。まとまって(島を)走れるのでいいなと

広島から訪れたバイクライダー:
一つ一つの島を、バイクだとぐるっといろんなところを回って、海岸線とか、みかん畑降りていって砂浜まで行ったりとか、ほかにはない魅力ですね

特産のレモン使ったグルメ多数!

この島に降り注ぐ光と潮風で育まれるのが、特産の「いわぎレモン」。

福吉貴文アナウンサー:
島では、冬を越したレモンが旬を迎えているということで、たくさんのレモンの実がなっています。そして、こちらのおしゃれなお店ではレモンの商品が楽しめるということです。お邪魔してみましょう

完熟のレモンを搾って作られる、島のエナジードリンクが…

わらしべ。 岡信太朗さん:
お待たせしました。こちらが島のレモネードになります

島のレモン果汁で作ったレモネード。
香りと酸味、苦みのきいた栄養満点のドリンク。

福吉貴文アナウンサー:
レモンの酸味がガツンときますね。濃厚で、鳥のさえずりを聞いて、春を感じながら海や島を眺めるこの島時間、ぜいたくですね

店では、地元で栽培されたブルーベリーをふんだんに使ったフラペチーノなども楽しめる。

わらしべ。 岡信太朗さん:
橋がつながることによって、いろんな人の交流もありますし、島だけだと同世代がすごい少ないので、新しい世代同士の新しいつながりで、どういうふうに新しい未来が作れるかがすごい楽しみですよね

店内でも、さっそく初めて上島町を訪れた松山からの観光客の姿が。

松山から訪れた人:
岩城橋が架かったので、ちょっと来てみようかなと。1回船を渡っちゃえば、いろんな島を(車で)巡れるので、小さい子どもも家族と一緒に来られるのが楽しみが増えるのかな

そしてもうひとつ、おすすめグルメが「レモンポーク丼」。

レモンポークは、地元のレモンの搾りかすやかんきつの皮を食べて育った岩城島のブランド豚。
霜降り部分が多く、うま味が濃いのが特長。
丼には半熟の卵が乗り、甘めのタレとレモンの果汁をかけていただく。

福吉貴文アナウンサー:
脂身がとっても柔らかくて、かめばかむほど甘み、旨味がじゅわっと口の中に広がりますし、レモンをかけて食べることで、さわやかな香りも広がっておいしいです

さらに上島町で楽しみなのが、もうすぐ岩城島をピンクに染めるサクラ。
積善山にある三千本桜は、愛媛有数の名所。

上島町によると、2022年の見頃は4月10日ごろだという。
ゆめしま海道の完成には、上島の活性化の夢が広がる。

(テレビ愛媛)

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