ロシアによるウクライナの原子力発電所への攻撃や北朝鮮の相次ぐミサイル発射を受け、全国知事会は3月30日、原発への武力攻撃に備えた自衛隊の迎撃態勢や部隊の配備に万全を期すよう緊急要請した。
緊急要請は、全国知事会の平井伸治会長(鳥取県知事)らが首相官邸を訪れ、磯﨑仁彦官房副長官に対して行った。
要請は、原発への武力攻撃について「ロシア軍は、欧州最大規模の原発であるウクライナのザポリージャ原発に対する砲撃を行った」「北朝鮮は、今年に入って11回に及ぶミサイルの発射を繰り返している」と指摘している。
その上で、武力攻撃を抑止するため「国際社会と協調した経済制裁措置の実施など、外交等を通じて毅然として対処する」よう求めた。
また、原発への武力攻撃等が懸念される事態となった場合、国が事業者に迅速に運転停止を命じ、緊急を要する場合は事業者が国の命令を待たずに運転を停止するよう政府の対応を求めた。
そして「万が一、原発に対するミサイル攻撃等が行われるような事態になった場合に、迅速に対応できるよう、自衛隊による迎撃態勢および部隊の配備に万全を期す」よう要請した。
要請を終えた平井氏は記者団に対し、「自衛隊の力をを駆使しながらしっかりと守ることを是非やっていただく必要がある」と強調した。