1カ月あたり約1万円。“山で遊び放題”のサブスクとは。

林業の現場をフィールドとして開放

四方を山に囲まれた自然豊かな森の中。
この場所を活用した新たなサービスが始まっている。

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MOKKI 共同代表・渡部由佳さん:
山のサブスク。檜原村の地域の林業家が持っている山をみんなでシェアする。

東京・檜原村で始まった山のサブスク「MOKKI NO MORI」。
年会費を支払うことで「フィールド」と呼ばれる山林の指定されたエリアが、時間や回数の制限なく利用できるサービスだ。

複数あるフィールドは、合計45ヘクタール、東京ドーム10個分もの広さだ。
定員制のため、混雑を避けてゆったりとアウトドアを満喫できる。

価格は、「ファミリー」「シングル」とプランごとに違い、1カ月あたり約1万円となっている。

MOKKI 共同代表・青木亮輔さん:
あくまでキャンプ場のように整備した山ではなく、林業の現場を「フィールド」として開放しています。

きっかけは山林を守る思い

フィールドの一つである、KIKORI FIELDは現在も林業の現場。
山の中に作られた作業道にテントを張ったり、起伏の少ない道で気軽にハイキングをするなど、作業地を活用したアウトドアが楽しめる。

また、落葉樹が広がるSENGEN FIELDでは、敷地に流れる川で水遊びができる。
この山のサブスク、きっかけは山林を守る思いからだった。

MOKKI 共同代表・青木亮輔さん:
山林は木材価格が安いので収入がないが、毎年固定資産税や森林組合の会費など支出ばかりで相続するのが忍びない、なんとかしてもらえないかと相談を受けました。

林業が盛んな檜原村だが、山林の維持にかかる費用は高額で土地を手放す人も多いという。
サービスではこうした活用されていない土地を収益化し、美しい山を守る支援も行っている。

見学者:
助け合いじゃないですけど、私たちもキャンプが思う存分にできるし、山林の所有者さんにもそういうのがあればいいことだと思います、お互いに。

見学者:
檜原村の林業に貢献できるという視点は全然なかったので、その視点がすごいなと思いました。ぜひ入会を検討したいと思ってます。

さらに、会員に向けて開催されるワークショップでは、アウトドアのコツだけでなく林業のサポートまでを扱い、会員と一緒になって森の管理も行う。

MOKKI 共同代表・渡部由佳さん:
(未活用の)ものすごく展望が良い所だったり、環境が良いところがたくさんあるようなので、そこをフィールドとして開いて行けたら。
檜原村各所で会員さんが森を良くしていくという活動も実施していってもらえたらなと。映画館に行くような感覚で気軽に森に入れるような余暇の過ごし方が定着して行くようになるのが目標です。

山の価値「物質から体験」へ

三田友梨佳キャスター:
コミュニティデザイナーでstudio-L代表の山崎亮さんに聞きます。
今回の山のサブスク利用、どうご覧になりましたか?

studio-L代表・山崎亮さん:
かつての里山は、地域メンバー制のサブスク空間でした。
地域の住民たちは山から下草や落ち葉を持ち帰って田畑の堆肥に使ったり、炭を焼くための木材を手に入れたりしていました。

こうした住民みんなの空間を 「入会地(いりあいち)」と呼ぶことも多く、まさにサブスクの「入会」と同じ漢字です。
ところが、徐々に堆肥や炭が必要ない生活になってしまったので、地縁型コミュニティによる山のサブスクが成り立たちにくくなってきました。

今回の試みは、キャンプに興味のある人たちが集まる「興味型サブスク」だと言えると思います。

三田キャスター:
同じ趣味を持つ方たちが集まり、人と人がつながっていくわけですね。

山崎亮さん:
地縁型コミュニティにとって山というのは、木材はもちろん堆肥や炭などの「物質的な価値」を生む場所で、そこに参加する人は地域住民に限られていました。

一方、興味型コミュニティの場合は、キャンプなどの「体験」に価値を見いだしているため、遠くからでもより多くの人が参加できます。

三田キャスター:
国内林業の不振も手伝って人の手が行き届かない山林が多くありますが、そういった山林が活性化するきっかけになるといいですね。

山崎亮さん:
山を物質的な価値でとらえると、どうしても価格の安い輸入材との競争になりますが、体験価値を生む空間として見ると新たな可能性が見えてくるのかもしれません。

経済的な合理性に裏打ちされた“正しいこと”だけでなく、人が集まる“楽しいこと”を追求すると 持続可能な活動につながることが多いと思います。

三田キャスター:
そうした経済効果も期待されますし、都会にいてもサブスクによって「自然と共にある暮らし」が実現できるかもしれません。

(「Live News α」3月28日放送分)

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