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19日、東京・銀座の百貨店「阪急メンズ東京」に改装オープンするのは、スニーカー専門のフロア。目指したのはサステイナブルなスニーカーショップ。

今回、百貨店として珍しい取り組みが・・・。実はこのエリアに並ぶスニーカーは、全て新古品や中古品。

日本最大級のリユースデパートを展開する「コメ兵」が手掛ける初のスニーカー専門店で、全国で買い取った入手困難なレアスニーカーやトレンドのスニーカーなど500足以上を販売。また、中古品の買い取りサービスも行う。

阪急阪神百貨店 ファッションワールドコンテンツ開発担当 姜世求さん:中古の買い物の体験というか、すでに広がっていると思っていて、百貨店の提案としては中々今までそこに手を付けられなかった部分もありまして。

性別、年齢を問わず履かれるスニーカー。履かなくなったスニーカーを捨てずに済むよう、中古品の販売、買い取り環境を整えることで循環型社会の実現を目指す。

1足に愛着を持ってもらうため、オリジナルスニーカーを作ることができるワークショップの開催や、ソールの張り替えなど修理を行うエリアも設置している。

阪急阪神百貨店 ファッションワールドコンテンツ開発担当 姜世求さん:環境のために何かをやるというよりは、楽しみながら環境に貢献できればという意図になっているので、まずは楽しんで頂きたいなと思います。

販売で完結させない循環型スニーカーショップは、19日にオープンを迎える。

内田嶺衣奈キャスター:ここでは、デロイト トーマツ グループの松江英夫さんに話をうかがいます。松江さんは、今回の取り組み、どうご覧になりましたか?

デロイト トーマツ グループCSO松江英夫氏:私は、百貨店にとって、新しい循環型のビジネスモデルへの試金石になるのではないかと期待しているんですね。スニーカーの市場は、今、特に中古を中心として、2次流通の市場が盛り上がっていて、2030年には、世界でも、今の3倍近くの3兆5000億円になる。こんな見通しもあるぐらいなんです。

内田嶺衣奈キャスター:確かに、スニーカーにこだわりを持つ人は、私の周りにも非常に多いです。新たに2次流通に参入する際に、百貨店ならではの強みと言うのは、どこにあるんでしょうか。

デロイト トーマツ グループCSO松江英夫氏:はい、ひと言でいうと、百貨店が持つ信用力。これが強みになると思うんですね。2次流通市場が広がっていくと、色んな物が入ってきますから、本当に価値がある物を見極める、鑑定眼、目利き、これが非常に大事になってくるんです。そこにおいて、百貨店は、色んな専門業者とのネットワークだとか、ブランド力、信用力がありますから、ここにおいて、参入するところの強みにもなるんじゃないかなと期待しているんです。

内田嶺衣奈キャスター:これまでの新品の仕入れ販売に加えて、百貨店の新しい可能性につながっていきそうですね。

デロイト トーマツ グループCSO松江英夫氏:そうですね。私は、新しい可能性という意味では、2つの循環、商品と顧客の循環、これが生まれることを期待したいと思うんですね。特に商品に関しては、新品だけではなくて、中古の仕入れと、修繕と、カスタマイズ、この辺のところで、商品のライフサイクルをカバーして循環を作る。さらにこれができると、顧客にとっても品揃えが豊かになりますから、ロイヤリティーを高めて循環にもつながる。こういった、顧客と商品の循環を作る新しいビジネスモデル、ここを作ることを期待したいなと思います。

(「Live News α」3月18日放送分)