3月16日の午後11時30分頃、宮城県や福島県で震度6強を観測。関東でも長く揺れた今回の地震の状況について、東京大学名誉教授の笠原順三氏に伺いました。

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東京大学名誉教授 笠原順三氏:
2分前に起きた地震との関連で言いますと、東日本大震災の時も2日前にマグニチュード7.3がきて、これが本震だと皆思っていたわけです。その後に9.0の異様に大きな地震が起きたと。今回も最初に2分前に6.5ぐらいの地震が起きて、それが次々に破壊をしていったとそういう感じで、そういう特徴が1つある。それから、津波との関係でいいますと、東日本は浅いし、マグニチュードが非常に大きい。しかし、今回の震源の深さは57㎞ということで、少し深いということと、マグニチュードも7.4ということ。津波というのは海底の地殻変動で、特に上下運動が深ければ、当然海底の変動は小さいということ、マグニチュードが小さくなれば、小さくなる。もし、これが海底付近にあれば1mぐらいの津波になる可能性がありますが、震源が57㎞ということで、津波もそれほど幸いに大きくなかったということですね。

東日本大震災の時と同様に、地震が連続して起こっていることを指摘。では、今回の地震をいつまで警戒しておくべきなのでしょうか。

専門家「1カ月は注意すべき」東日本大震災との“メカニズムの違い”

気象庁の地震火山技術・調査課の中村雅基課長は、揺れの強かった地域では1週間程度地震に注意することや、今後2,3日程度で大きな地震が発生することが多くあると報告。一方で笠原氏も次のように話し警戒を呼びかけます。

東京大学名誉教授 笠原順三氏:
ちょうど1年前にほとんど同じ場所で、マグニチュード7.3ぐらいの地震が起きました。その場所の近くで、その後1カ月後に6.9が起きたということと、今回の地震は東日本大震災の余震域の西端であるということから、1週間ではなくてやはり、1カ月くらいは注意をする必要があると思いますね。

さらに、震源域が東日本大震災と近いものの、メカニズムは別と指摘します。

東京大学名誉教授 笠原順三氏:
東日本大震災は非常に浅い25㎞ぐらいの深さのところで起きて、それが非常に広い範囲内に広がったんですね。それで今回の場合は深さも57㎞、プレートの中で起きたということで。東日本大震災の時はプレートの境界の逆断層が長さだけではなくて、面積で非常に広い場所を占めたと。マグニチュードというのは面積に比例するので、面積が非常に大きかったということですね。そして今回は、沈み込む海洋プレートの中で少し深く起きたと。しかし、ちょうど福島とか宮城に対しては、真下の地震です。直下地震に近いような起き方をしているので、非常に広範囲に震度が大きかったということです。

東日本大震災の時は「プレート境界の逆断層」、今回の地震は「プレートの内部」が動き地震が発生したと笠原氏は話します。

東京大学名誉教授 笠原順三氏:
この地震だけにすると、周辺の地震を1カ月以上警戒しないといけないと同時に、1つは最近千葉県や茨城県の下で起きているのと、和歌山県とかそういった場所でも地震が起き始めて、南海トラフに沿った地震活動もあると。やはり今回の地震が首都圏直下とか南海トラフの地震に対して影響を与える可能性はあるのではないかと思います。

(「めざまし8」3月17日放送)

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