世界三大映画祭の一つ、カンヌ国際映画祭・コンペティション部門に、映画『万引き家族』を出品し、最高賞の「パルムドール」を受賞した是枝裕和監督。
日本映画の受賞は1997年、今村昌平監督の『うなぎ』以来、21年ぶりのことだ。
受賞インタビューで「さすがに足が震えています。この場にいられることが本当に幸せです。そしてこの映画祭に参加するといつも思いますが、勇気をもらいます。映画を作り続けていく勇気をもらいます」と話した是枝監督。
審査委員長を務めた女優のケイト・ブランシェットさんは、受賞の理由について「演技も演出も撮影も深みがあって、とにかく素晴らしかった。全ての要素が揃っていた」と絶賛。
カンヌ映画祭が終わった後、仕事でニューヨークに来ていた是枝監督が、めざましテレビに生出演し、インタビューで受賞の喜びと、次回作への意欲を語った。

ーー一夜明けて今どんな心境ですか?
ちょっとまだふわふわしていて、夢のような、現実感のない感じでいます。
ーー作品名と名前を呼ばれて頷いて天を仰ぐような感じもありました。どんな気持ちが去来したんですか?
なんでしょうね、これ(映像を見ながら)。
ちょっとわからないですね。
僕だけしか残っていないのがわかっていたんで、呼ばれるのはわかっていたんですけど…。
ーーパルムドールのトロフィーを見せていただけますか?
それがですね、ちょっと重すぎてニューヨークには持ってこれなかったので、スタッフに預けていまして、ここにはないんです。

ーー2013年のカンヌ映画祭では『そして家族になる』で審査委員賞を受賞しました。主演の福山雅治さんから「おめでとうございます!凄いです。凄過ぎて是枝監督が遠い人になっちゃって寂しさを感じるくらい凄いです」とコメントがありました。
とんでもないです。
福山さんの方が遠い人なんですけど(笑)。
またリリー・フランキーさんを交えて、お祝いをしたいと思います。

ーー受賞後、キャストのみなさんとお話ししましたか?
授賞式の途中から、グループのLINEのやり取りをずっとしているので、LINEでは「おめでとう」「ありがとう」「よかったね」というのはあるんですけど、まだ直接言葉は交わしていないので、日本に戻ってからみんなで集まりたいなと思っています。
ーー20年後も映画を作りたいと言っていましたが、60代70代とどんな映画を作りたいですか?
今回の映画があったので、家族の作家という認知のされ方が強くなっちゃったところがあるんですけど、自分としては色々なジャンルのものをやってみたいなという想いもありますし、逆に60代70代になったら違う家族の捉え方ができるようになるかなと思っているので、時がきたらまたホームドラマというものをやってみたいなと思っています。

カンヌでは、「対立している人と人を、隔てられている世界と世界を、映画がつなぐ力を持つのではないかという希望を感じます。今回みなさんにいただいた勇気と希望を、まず一足先に日本に戻ったスタッフとキャストと分かち合いたいですし、これから映画を作り、ここを目指す若い映画の作り手たちとも分かち合いたいと思います」と話した是枝監督。
今後、是枝監督の次回作と共に、是枝監督を目指す若手によって、日本映画の未来はさらに明るくなりそうだ。
是枝裕和監督作品『万引き家族』 6月8日(金)全国公開
(「めざましテレビ」5月21日放送分)