3月22日、東京電力管内で初めて「電力需給ひっ迫警報」が発令されたが、23日の午前11時に解除された。

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22日は、東京タワーの上半分が消灯、東京スカイツリーも2012年の開業以来、初めて夜間のライトアップを中止する事態に。

東京の夜の街から明かりが消えた。営業時間内にも関わらず、コンビニエンスストアやファミリーレストランの看板も消灯された。

電力ひっ迫の原因は「地震」と「寒さ」

電力がひっ迫した理由の1つが3月16日に起きた最大震度6強の地震。一部の火力発電所が停止したことで電力供給量が低下。

さらに3月22日は真冬並みの冷え込みとなり、暖房の使用などによる電力不足により、最大300万軒規模の停電が発生するおそれがあった。

女性(20代):
今日は早めに寝て、電気使うのやめようかなと思います

女性(20代):
使っていないコンセントを抜きます

「飲料を常温で販売」「エアコンの温度変更」街も節電に協力

真冬並み寒さの中での節電要請。家や街では、どのような変化が起きていたのか?

東京・新宿の家電量販店では展示されているテレビのうち、約半数の電源が切られていた。「節電のため通電を控えております」との張り紙がある。

ビックカメラ新宿東口店・冨高優副店長:
電力需給ひっ迫警報の要請が来たので私たちができること、ということで

一方、売れ筋商品に変化も…

ビックカメラ新宿東口店・冨高優副店長:
本当に停電になってしまったら、ということで、一番いま問い合わせが増えているのは、こちらのポーダブル電源になります

また、都内のスーパーの売り場では普段は冷やしている飲み物を急遽、「常温」で販売。

品質管理のため冷蔵が必要な商品棚は照明を暗くして対応していた。

さらに、営業中の飲食店でも看板や照明など外の明かりを消して営業していた。ほかにも、こんな工夫が。

東京麺珍亭本舗 鶴巻町本店・小林将人統括店長:
券売機も普段バックライトが付いているが、今回はそちらも消した状態。ゆで麺も通常は110℃で湯がいているが本日は100℃ギリギリでやっている

また、節電のネックとなったのが、首都圏各地で雪が降るなどした、季節外れの寒さ。東京では午後3時前、真冬並みの最低気温1.8℃を記録した。

学習塾では、通常25℃に設定しているエアコンの温度を20℃に変更。

足下にブランケットを掛けていた生徒は…

ブランケットをかけていた塾の生徒:
ドアが近くにあるので開け閉めが多くて寒いなと思って(ブランケットを)かけました

こちらの家庭では、家族が一部屋に集結。普段は暖房をつけて宿題をしている部屋の電気は使用せず、床暖房がきく部屋に集まり、節電していた。

長女・伊藤楓南さん:
自分の部屋は電気を消すようにしている

節電の動きは、各企業でも。千葉県の鋼材加工会社では、朝礼で節電を呼びかけ。

松山鋼材・向後賢司社長:
停電になっちゃうと機械も止まって仕事もできません

作業に支障が出ない範囲で照明を消し、溶接などを行うロボット10台中6台を停止。

そして、都心に雪が降り始めた正午。東京・台場にある飲料メーカー「サントリー」のオフィスでは…

館内放送:
本日の昼休み時間12時から、館内を一斉自動消灯します


昼休みの1時間、館内を全て消灯。休み時間に作業する人の顔を照らすのは、パソコン画面の光。暗い中での作業を余儀なくされていた。

さらに京浜急行の新馬場駅では、エスカレーターを一部止めるなど節電対策、三崎口駅にも「エスカレーターを本日、終車まで稼働停止いたします」と張り紙が張られていた。

萩生田経産相も節電呼びかけ

しかし、午前中の節電は目標を大きく下回り午後2時台には電力の供給力に対する需要の割合を示す「使用率」が107%。

こうした中、萩生田経済産業大臣が緊急会見。

萩生田経産相:
このままでは、東京電力管内で広範囲の停電を行わざるを得ない


午後3時から午後8時に、さらに5%の節電を呼びかけ、百貨店やコンビニにも協力を求めた。

こうした節電の取り組みが功を奏し、夜には「安定的」とされる93%以下にまで低下した東京電力管内の電力使用率。

経済産業省は3月23日も寒さが続き、電力の需要に対する供給の余力を示す「供給予備率」が東電管内で3%を下回る見込みだとして、「ひっ迫警報」を継続していたが、23日の午前11時に解除された。

(「めざましテレビ」3月23日放送分より)