ウクライナ政府が公式SNSに投稿した一枚の写真。
日本時間3月14日夕方から始まった、ロシアとの4回目の停戦交渉の様子です。

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過去の3回と違って、今回はオンラインでの話し合いでした。しかし交渉の場は、16日まで中断となったといいます。

交渉の“キーパーソン”メジンスキー氏

ウクライナ側の代表団は、交渉でロシア軍の撤退、安全保障などについて議論する考えを示していましたが、交渉は中断となってしまいました。

この停戦交渉を巡って、ロシア政治に詳しい筑波大学の中村逸郎教授は、交渉のカギを握るのはロシア側のトップ、メジンスキー大統領補佐官だと指摘します。

筑波大学 中村逸郎教授:
メジンスキーさんというのは、プーチン大統領にとって自分の掲げる強いロシアを思想的に支えてくれる大切な人です。

プーチン大統領の思想を支えている重要な人物だというメジンスキー氏は、これまでに行われた3回の停戦交渉にもロシア側の代表として参加。4回目の交渉の写真でも中心に座っています。

“プーチン世代”の新リーダー

メジンスキー氏とはどんな人物なのでしょうか。

これは2019年、SNSに投稿された写真です。プーチン大統領と対面しているのが、当時、ロシアの文化省の大臣を務めていたメジンスキー氏で、プーチン大統領とは緊密な関係であることをうかがい知ることができます。

中村教授が取り出したのは、作家でもあるメジンスキー氏が書いた本です。これらはロシアで購入したもので、日本では入手困難な本だといいます。

筑波大学 中村逸郎教授:
ロシアというのは独自の道、独自の歩みを歩んで来た。そして、このロシアの魂が謎に満ちていることについて書いてある本なんですね。

中村教授によると、その内容は抑圧・弾圧などを肯定したものだといいます。

メジンスキー氏はロシアの国会議員を経て、42歳という若さで文化省の大臣に就任。2020年には大統領補佐官となりました。

筑波大学 中村逸郎教授:
メジンスキーさんは、30代前半からずっとプーチン大統領の元で育ってきた、いわゆる“プーチン世代”の人なんです。そういう意味でプーチン大統領にとっては自分が育ててきた、自分の体制下で育ってきた非常に大切な人物であり、一言でいうとプーチン世代の新しいリーダーという風に思えます。

そして今回、プーチン大統領の意を受けて、停戦交渉のロシア側のトップに就任したとみられます。これまでの交渉でメジンスキー氏は、一貫してウクライナ側に厳しい姿勢を見せ続けてきました。

メジンスキー氏:
私たちは平和を求めている。ウクライナ側が、交渉への参加を断れば流血の責任はウクライナ側が負うことになります。

ーー停戦交渉が進まない理由はメジンスキー氏に関係がある?
筑波大学 中村逸郎教授:
ロシアがいかに手強いか、妥協してこないのかっていうところを演出しているわけです。

謎に包まれた人物像

ではメジンスキー氏は、普段はどんな人物なのでしょうか。

筑波大学 中村逸郎教授:
メジンスキーさん自身がどんな人柄なのか、実は謎に包まれてるんですね。まさにロシアの歴史と同じで、謎に包まれた人というところです。

謎に包まれたキーパーソンの1人、メジンスキー大統領補佐官。今後、停戦交渉をどう導いていくのでしょうか。

(「めざまし8」3月15日放送)