北海道内では、約2カ月にわたり「まん延防止等重点措置」が適用され、飲食店では時短営業が続いた。小樽市では、そんな店を応援し地元を活気付けようと、有名ラーメン店ばかりを集めた新たなスポットが、期間限定で登場して話題を集めている。

客:
おいしいです

観光スポットにほど近い、小樽市港町で2月から始まった期間限定のイベント、「らーめん道中記」。

この記事の画像(11枚)

「人気ラーメン店」が代わるがわる地元にやってくる

出店するのは有名ラーメン店ばかり。コンテナの中で営業している。
店は2週間ごとに入れ変わり、3月8日から第2弾として「らーめん信玄」が登場した。

店員:
お待たせしました、信州コク味噌ラーメンです

2022年で創業24年を迎えた信玄。1番人気は「コク味噌ラーメン」だ。そのこだわりのスープとは…

らーめん信玄 南6条店 菊池 光祐 店長:
タマネギとかニンジンの香味野菜を入れて豚骨、げんこつを弱火で煮ています。だいたい3日か3日半ぐらい72時間以上煮ている

さらに灰汁(あく)や脂を丁寧に取り除いた清湯スープに仕上げ、甘めの味噌を合わせている。

麺は、1週間熟成させた特注の中太縮れ麺を使用。こだわり抜いた自慢の一杯。麺にはコシがあり、スープは濃厚なのにしつこくなく、白みそと合わさることで、非常にまろやかな仕上がっている。

「移動しづらい」雰囲気が原動力に

この企画を考えたのは、鶏の半身揚げで有名な「小樽なると屋」などを運営する小樽市の会社だ。

FBCホールディングス 山田 雄太 取締役:
コロナになって、なかなか札幌の店にも行きづらい。小樽の方はラーメン好きが多いので、札幌近郊のお店の方々に来てもらって、より安全に食べてもらいたい

店内では消毒や換気を徹底しているほか、車20台分の駐車スペースが確保されていて、店が混んでいても安心して車の中で待つことができる。

らーめん信玄 山本 嘉祥 社長:
この辺もおいてあったやつなんだ。きょうこの状態を見て、あしたの朝に持ってこようと思う

店舗内を念入りに見回るのは信玄の山本社長。コロナ禍で観光客が激減、そこに時短営業が追い打ちをかけ、売り上げはピーク時の半分に減ったと言う。

らーめん信玄 山本 嘉祥 社長:
コロナで制限がある中で、売り場を増やせるのが助かる。アルバイトがなかなか出られないことが続いている。こういうところで、働く場所を得られれば良いかなと思う

開店準備は午前9時ごろから始まったが、店内には調理器具などがあらかじめ用意されていたため、負担はかからなかったという。

出店者にも地元の人にも喜ばれるイベントへ

らーめん信玄 山本 嘉祥 社長:
だいたいあるものを使った。"不要不急の外出を控えるべき"という空気の中で、札幌まで行かずに地元でパッと行って食べられる。小樽の人にも良いと思う

店員:
お待たせしました、どうぞ

小樽市の男性客:
信玄はなかなか行列で食べに行けないので、小樽に店ができたので来てみようかと思った

コロナ禍で遠出を控えている人も、地元で名店の味が楽しめる。目指したのは、苦境に立つ飲食店を応援しつつ、地元もうれしい"ウィンウィン"の関係だ。

FBCホールディングス 山田 雄太 取締役:
小樽の方にまずおいしく食べてもらって、観光客が戻ってきた時により魅力的な場所になるよう今から作っておく必要がある

北海道を含め18都道府県に適用されていた「まん延防止措置」は、3月21日で終了した。飲食店への時短要請は解除されたが、「らーめん道中記」は4月17日まで出店が続く。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。