新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染者数は最流行時に比べれば減少に転じ始めたが、依然として高止まりの様相を呈している。政府は、31都道府県を対象にまん延防止等重点措置を3月6日まで継続しているほか、5~11歳を対象とした小児ワクチンの接種をまもなく始め、感染が爆発的に拡大することはなんとか抑え込みたい考えだ。

FNNは2月19日と20日、全国の有権者を対象に電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し、1011人から回答を得た。概要は既に放送等で報じたが、FNNプライムオンラインでは、新型コロナウイルス対策についての回答を年代別・性別に細かくお伝えする。

新型コロナ政策「評価する」 若年層、50代、60代で顕著に減少

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まず、「政府の新型コロナウイルス対策」についての質問に、「評価する」と答えた人は全体の46.9%で、前月の同じ質問に対する回答と比べて7.3ポイント減少した。逆に、「評価しない」と答えた人は前月より6.5ポイント増加している。

今回調査での岸田政権の支持率は62.6%で前月比4.3ポイント減(「支持しない」は3.2ポイント増)なので、政権支持率は対新型コロナ政策の評価傾向と一致している。

これを回答者の年代別に分析すると、18歳、19歳~20代と50代、そして60代の3つの年代で「評価する」人が前月比10ポイント以上減と、他の年代に比べて評価の減少が顕著だった。

経済活動制限 女性に多い「必要」

まん延防止等重点措置によって、営業時間や酒類の提供時間など特に飲食業の営業活動が大きな影響を受ける中、政府や自治体が経済活動を制限することについて、「必要(「とても必要」と「ある程度必要」の合計)」と考える人は女性に多く、「不要(あまり必要ではない」「全く必要でない」の合計)」と考える人は男性に多かった。この傾向は年代を問わず同じである。

ただ、18歳、19歳~20代と30代の2年代は、経済活動制限が「必要」「不要」と考える人それぞれの割合が、同年代内の性別間で10ポイント以上開いていた。

また、重症化への懸念が強いと思われる高齢者ほど経済活動制限を「必要」と考える人が多くなるかと思いきや、女性は70歳以上(74.8%)より18、19歳~20代(77.61%)の方が「必要」と答えた人が多かった。

主に政府や自治体が要請している経済活動の制限を68.5%が必要と答えた一方で、政府の新型コロナウイルス対策を「評価する」人が46.9%にとどまっていることから考えると、政府の新型コロナウイルス対策への低い評価は、まん延防止等重点措置の延長ではなくワクチン接種スケジュールや治療薬開発支援といった政策への不満の高まりなどが大きな原因となっている可能性も考えられる。

3回目接種 若年層と50代で「受けたくない」が前月より増加

政府は、感染力の強いオミクロン株への感染拡大防止と重症化予防を理由として去年12月1日から3回目接種を始め、今回調査直前(2月18日)の3回目接種済み累計人数は1600万9146人となっており、前回調査直前(1月21日で累計194万4232人)と比べて約8倍になった。
本調査でも、すでに「接種を受けた」と回答した人が21.6%(前月より18.2ポイント増加)と政府発表の累計接種者数と同傾向で前月より急増しており、おおむね「すでに接種を受けた」人が増えた分「接種を受けたい」人が減った形となっている。

しかし、18、19歳~20代と50代の2つの年代では、僅かながら「接種を受けたくない」人が増加している。重症化リスクの高くない人が多い世代では、むしろワクチン接種による副反応が学業や仕事に影響することを懸念する声もあり、3回目接種が政府の思惑通りに進むかは予断を許さない。

社会部
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