乳がん検診ポスターに批判の声

乳がんの検診を呼びかけるはずのポスターが大きな波紋を広げている。

乳がん体験者の会NPO法人テッテルーチェ・加藤千恵子理事長:
乳がんになったってことは当たりなの?外れなの?どういう意図なの?と思ったことが最初に感じたことです。憤りを感じます

そう語るのは乳がん患者の支援などを行うNPO法人の加藤千恵子理事長だ。

この記事の画像(11枚)

理由は2021年10月に発表された乳がん検診を呼びかける目的のピンクリボンデザイン大賞でグランプリを獲得したポスター。

福引で乳がんを引き当てるような表現

描かれているのはくじ引き抽選器。さらに受け皿にはアタリを連想させるピンク色の玉。

さらに「まさか、私が」と毎年9万人が言うとのキャッチコピーが書かれている。

この乳がん検診を呼びかけるポスターに街の人は…

30代女性:
目を引くのは大事だと思うんですけど、ちょっと軽い感じに見えるかなと

50代女性:
当たりたくない当たりだからあり得ないと思う

まるで福引で病気を当てるかのような表現に街では違和感を覚えるとの声があった。

実は「乳がんの福引があったとして引く人はいない」「がんをガラポンの景品にしてデリカシーがない」などの批判がSNS上などで拡散され、いま物議を醸している。

選出理由「新鮮なビジュアルに強さ感じた」

企画を管轄する日本対がん協会によるとポスターは一般公募。審査員はコピーライターなど女性4人と男性2人、合わせて6人。

グランプリに選出した理由を尋ねると「自分がそうなると思わなかった」という気持ちを形に込めた新鮮なビジュアルに強さを感じたと審査員が総評したという。

これに対し、乳がん患者の支援などを行う加藤氏は…

乳がん体験者の会NPO法人テッテルーチェ・加藤千恵子理事長:
「まさか、私が」っていう言葉はすごく趣旨に合っていると思ったんですけど、(患者は)その後辛い治療が待っているわけなんです。そこまで考えて選んでいないんだなって。(ポスターは)病院とかにも貼られるので、乳がんの患者さんが目にする機会が非常に多いだろうなって

患者「誰も当たりたくない」

また実際に乳がんを患ったという女性は…

乳がんを患った50代女性:
キャッチ―な感じでやったんだなというのは分からないでもないすけど、ちょっとショックというか、びっくりというか。別に誰も(がんに)当たりたくないよねって。(告知の瞬間を)思い出すとちょっと泣けてきます。やっぱり。生の声も聞いてもらえれば良かったんじゃないかと思いました

こうした声を受けて2月21日に日本対がん協会はホームページ上で謝罪。「選考の責任は私ども協会にあり、お気持ちを傷つけてしまった患者さんやご家族の皆様におわびを申し上げます。」今後については「ご意見を真摯に受け止め、よりよい啓発活動のあり方を探ってまいりますとしています」としている。

(「めざましテレビ」2月24日放送分より)