福島・いわき市にある「アクアマリンふくしま」は、東北最大級の楽しく学べる体験型水族館で、「潮目の海」をテーマに800種類を超える生き物を展示している。
新たな挑戦も始めるというアクアマリンふくしまの裏側を、福島テレビ・坂井有生アナウンサーが調査した。

動物の“好き嫌い”に合わせたエサを準備

まず坂井有生アナウンサーが向かったのは、エサを作る調餌室。

坂井有生アナウンサー:
いまは何を作っていますか?

アクアマリンふくしま・荒木美妃さん:
いまは、フェネックのエサを作っているところです

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坂井有生アナウンサー:
フェネックって、砂漠にいるキツネみたいな?

アクアマリンふくしま・荒木美妃さん:
そうです。耳がすごく大きなキツネの仲間ですね。砂漠に住んでいる生き物になります

砂漠で暮らす野生のフェネックは、昆虫や植物の根から水分を補給するが、ここでは、冷凍のコオロギやニンジンを食べれば水分補給が完了。

アクアマリンふくしま・荒木美妃さん:
葉っぱの代わりに白菜をあたえているんですけど、ほかの子は白菜が大好きなんですけど、白菜を食べない子がいるので、代わりにニンジンを多めにあげることで水分をとらせるという方法をとっています

人間同様、好き嫌いがあるという。
ところで、フェネックは夜行性。昼間はたいてい寝ているが、食事の時間だけは違う。

坂井有生アナウンサー:
すごいテンションだ!

午後3時30分~4時ごろにも“ご飯タイム”があるので、そのタイミングでの見学が狙い目。

“遊びながら学べる”新コーナーがオープン予定

2022年4月末には、新たなコーナーがオープンする。

アクアマリンふくしま・荒木美妃さん:
モモンガやニホンリス、ホンドテン、オオコノハズクというフクロウを展示して、動物の能力とか習性を、木製のアスレチック遊具を使って、遊びながら学んでもらうという施設をつくっているところですね

手に乗っているのは、新コーナーで展示されるフクロウの仲間「オオコノハズク」のみーちゃん。

アクアマリンふくしま・荒木美妃さん:
手に乗ってもらう練習と、人が近づいても怖がらない、違う人からエサをもらっても大丈夫なように訓練しているところです

一緒に歩いて「人に慣れる」トレーニングも。

アクアマリンふくしま・荒木美妃さん:
みーちゃんだけのトレーニングじゃなくて、飼育員もトレーニングをしなきゃいけないんですけど、人間は歩くときに上下しますよね。あれをなるべくないように歩く必要があります。自分の手が、みーちゃんにとって、安心できる止まり木ということにしなくてはいけないので

海と川、森、山はつながっているので、水族館の垣根をなくして、動物が暮らす自然環境に目を向けてほしいと話していた。

31種もの繁殖に成功…自然に負荷をかけない工夫も

続いてバックヤードでは、「繁殖賞」と書かれたあるものを発見。

坂井有生アナウンサー:
繁殖賞ってなんですか?

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
日本の動物園とか、水族館で繁殖して、6カ月以上育てることができた場合に与えられる賞なんです

坂井有生アナウンサー:
サンマもですか?

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
サンマも、アクアマリンで日本で初めて繁殖に成功したということですね

アクアマリンふくしまでは、2022年2月14日時点で31種の繁殖の成功が認められている。
そのひとつが「ナメダンゴ」。北海道の冷たい海にすむ小さな魚だ。

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
自然界の大人は、何千もの卵の中から生き残った1匹なので、自然界の大人をとってしまうと自然界に負荷をかけてしまうので、水族館でなるべく繁殖させて、卵をとってふ化させて育てるという方法をとっているんですね

アクアマリンふくしまでは、自然界に負荷をかけないよう、生き物の繁殖を積極的に行ってきた。
ナメダンゴの繁殖には、10年以上かかったそう。

坂井有生アナウンサー:
奥に見えるツブツブは?

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
いま、オスが卵を守っているところなんです

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
こうやって卵を産んでもらって、それを大事に育てて展示することで、数多くのナメダンゴを見てもらえるし、自然界への負荷も少ないってことですね

卵は産卵日ごとにわけて、ふ化まで何日かかるかも研究。
その結果、ナメダンゴの卵はふ化まで約110日と判明した。

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
2~3℃の冷たい海の魚は、研究機関でもあまり研究されていない分野なんです。なので水族館だと研究設備も整っている

さらに、卵がどう変化していくかを魚ごとに研究。
顕微鏡を使って卵を観察し、変化の様子をスケッチしている。

冷たい海の魚は、まだまだわからないことだらけだという。

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
稚魚が捕れたときに、何の稚魚かわからないと研究が進まなかったりするんです。稚魚がどんな形をしているか発表すると、自然界でその稚魚が捕れたときにわかるわけです

水槽は職員が毎日潜って清掃

水槽の掃除も飼育員の業務。松崎さんの担当は「潮目の大水槽」。

坂井有生アナウンサー:
ここは何のスペースですか?

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
ここは、職員の潜水道具が並んでいる場所です

坂井有生アナウンサー:
みなさん潜るんですか?

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
職員1人ひとりに担当の水槽があるので

坂井有生アナウンサー:
大水槽だとかなりの深さがありますよね?

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
8メートルあります。飼育職員はダイビングの免許と、潜水士という国家資格を持って潜るということになります

松崎さんが担当する水槽は水が冷たいため、中に水が入らないドライスーツを着用。
沈んだまま作業をしやすいよう、重さ6kgのベルトに8kgのベスト、5kg以上のタンクを背負って、水温10度の水槽にダイブ!
砂や岩の上に落ちたフンやゴミを、1つ1つホースで吸い取っていた。

坂井有生アナウンサー:
松崎さんはどのぐらいのペースで潜るんですか?

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
毎日潜っています

坂井有生アナウンサー:
体力的に大変ですね?

アクアマリンふくしま・松崎浩二さん:
魚もいるので、魚の表情を見ながら楽しくやっています

生物豊かな水槽を保ち、地球環境にも配慮するアクアマリンふくしま。
小さな命を守り、次世代へとつないで行くため、これからも進化を続けていく。

(福島テレビ)

記事 629 福島テレビ

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