1日で都民のおよそ800人に1人が感染
「医療機関や高齢者施設等における集 団感染、保育園・幼稚園や小学校等 の休園・休校等が増加しており社会機能の低下が深刻になりつつある」
東京都は新型コロナウイルスの専門家会議を開き、新規感染者の7日間平均は、前回の1万6075人から1万7686人人に増え、これは、1日当たり都民のおよそ800人に1人が感染していることになるとの分析が示された。

オミクロンは2日で倍 1週間で四次感染も
「こんなに速いインフルエンザみたいなのは経験がない。つまりスタッフがどんどんどんどん陽性になって、入院されている患者さんからも陽性が出て、調べたらものすごい数の方が感染してらしてっていうのは。職員がどんどん歯抜けのように休んでいく」
「800人に1人」が感染する病気が他にあったのか、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長に問うと、インフルエンザは統計が十分取れているわけではないと前置きした上で「規模感はインフルエンザだが、拡大のスピードはインフルが3~4 日で倍に増えるところがオミクロンは2日で倍。1週間で二次感染、三次感染、下手したら四次感染まで」と現場感を話した。

スピード鈍化でも増加傾向
岸田総理は9日「感染拡大のスピードは明らかに減少」と話した。確かにスピードは落ちてきたが、未だ1割ずつ増えており、今の感染状況が続くと1週間後の新規陽性者数は、1日当たり1万9455人との推計も出された。また、60代以上の割合が上昇傾向で、10歳未満の割合が4週間連続して増加していることへの警戒感も示された。
都民の80人に1人がコロナ療養
検査で感染が確認され入院、宿泊、自宅のいずれか療養している人は9日時点で16万9697人となり、都民のおよそ80人に1人にのぼっているという。
重症者は2週間先まで確実に増加
「2週間先まで増えることは確実だし、重症病床は使われ続けていくだろう」
重症者は先週の重症者数が前回の30人からほぼ倍の59人に増加、東京都医師会の猪口正孝副会長は、これまでと同様に感染拡大から遅れて重症者が増えると指摘。
「第5波の時のような空白の時間みたいな、そういう時間が無いように努力しているんですね」
一方で、猪口副会長は感染者情報システム「ハーシス」への入力が早く進んでいることなどから、第5波の時より重症化を防ぐ取り組みはうまくいっているとの見方を示した。

厚労省のアドバイザリーボードの資料を確認すると、東京都では感染者情報の入力が当日、もしくは翌日にされているが、自治体によっては入力が1週間から2週間遅れているところもあった。 ハーシスへの入力が遅れると、感染者として認識されず、行政などからのサポートが遅れることも。
ピークアウトはゴールではない
「ピークアウトがゴールではない」
小池知事は6日の夜も、厳しい口調でこう話した。 都内の新規感染者数が2日連続で前の週を下回るなか、都庁内では「ピークアウトという言葉で感染予防対策が緩むのでは」という危機感がにじむ。
今週ピークアウトしたとしても、今まで経験したことのない数の療養者数が続く中、収束というゴールはまだ見えてこない。感染しても軽症」というフレーズが言われ続けた後、感染予防対策の徹底は、これまでより難しいのかもしれない。

(フジテレビ社会部・都庁担当 小川美那)