SDGs「目標12:つくる責任つかう責任」の実践。日本の伝統的な、あるモノに注目。それを作る時に出る切れ端が、今 素敵なインテリアに生まれ変わっている。

全社員で考えた"畳の端材"再利用方法

和柄のおしゃれなインテリア小物。コースターにカラフルなバッグ。なんと、これらはすべて、畳の材料を使っている。

この記事の画像(16枚)

富山・小矢部市の沼田畳内装を訪ねた。

沼田畳内装・三田奈津子さん:
今、畳おもてを切っている最中です

谷優子アナウンサー:
すごいいい香りがしますね、い草の

沼田畳内装・三田奈津子さん:
これが切り落とされていって、こちらが畳に使う部分で。切り落した部分は、本来は捨てちゃうんですけど、これを小物製作に使って、端材はなるべく捨てないようにしています

谷優子アナウンサー:
結構出ますよね、毎日。フラダンスとか踊れそうじゃない?

沼田畳内装・三田奈津子さん:
いいかもしれない。今度考えます

この「畳おもて」の切れ端を丸めて作っているのが、玄関やお部屋に置く消臭ポット。

沼田畳内装・三田奈津子さん:
い草のいいところは、空気を浄化するとか消臭するので、まるめて消臭ポットに変えています

谷優子アナウンサー:
香りもいいですしね

畳の表面に張り付ける畳おもては、畳よりも大きなサイズで仕入れるため、必ず端材ができる。

「貴重な素材を何か有効活用できないか」と社員全員で考えて、2年ほど前から切れ端を再利用している。畳のへりの部分を縫い付ける作業でも、端材が出る。

沼田畳内装・三田奈津子さん:
縁を巻いているこの部分、全部使いきれなくて、畳には使えない長さで残って端材になります

谷優子アナウンサー:
サイズがちょっと違うだけで、こんなにきれいなのに

伝統的な柄から、カラフルなものまで種類が豊富な「畳べり」。端材は、ミシンで縫ってインテリア小物を作る。担当は、総務部の岩井真紀子さん。これまで様々な再利用製品を生み出してきた。

谷優子アナウンサー:
これ作れるかなとか、いろいろ考えている?

沼田畳内装・岩井真紀子さん:
そうですね。お店にいくと、これいいんじゃないかとか、材料に使えるんじゃとか考えてしまいますね

谷優子アナウンサー:
これもそうですもんね。バッグ?

沼田畳内装・岩井真紀子さん:
この幅で、畳おもてが端材となってしまいますので、これは試作なんですけど。使ってみて都合が悪いなとか考えてみて、試行錯誤して商品化しています

若者に畳の良さを伝えたい

工場にはショールームもあり、畳を使った小物や雑貨を展示している。

谷優子アナウンサー:
これもそうですか?

沼田畳内装・三田奈津子さん:
畳べりで作ったリュックですね。ポーチ、財布

沼田畳内装・三田奈津子さん:
こちらは畳べりを縫い合わせてバッグにしています。麻の畳べりですね

麻の畳べりでつくったバッグ
麻の畳べりでつくったバッグ

谷優子アナウンサー:
マスクケース!これも畳べりですか?畳っていうと和室にあるイメージですけど、小物やクッションになさるのはどうして?

沼田畳内装・三田奈津子さん:
畳離れを止めるという思いもありますし、若い人たちにも畳は楽しいなと思ってもらいたくて発信しています

谷優子アナウンサー:
端材も、もったいないっていうのもありますけど、畳の良さを身近に感じてもらいたいってことなんですかね

沼田畳内装・三田奈津子さん:
そうです

この会社ではSDGsの「目標12:つくる責任つかう責任」として、畳の廃材のロスを減らす事に取り組んでいるとともに、「目標8:働きがいも経済成長も」の達成を目指し、若者にも畳製作の面白さを伝え、職人を目指す人を増やしていきたいという思いもあるそう。

(富山テレビ)

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。