愛媛県は、限られたコロナ病床を重症化リスクの高い患者に温存するため、多くの感染者に自宅療養してもらう方針をとっている。
家族が陽性になった松山市の男性が、自宅療養する家族を抱えながら生活する難しさを語った。
「どこか他人事だった」…家族が自宅療養に
家族が感染した松山市の男性:
どこか他人事のような感じで捉えていた部分があったので、まさか自分の家でという気持ちになりました
男性は、2階で隔離する家族に食事を運ぶ。
この記事の画像(10枚)家族が感染した松山市の男性:
ご飯置いときまーす
男性の妻は職場で陽性者が出たため、1月22日にPCR検査を受けて陽性が判明。症状は軽く、自宅療養となった。
男性と3人の子どもが濃厚接触者となり、妻を自宅内隔離する生活がスタート。
しかし、翌23日には次男も感染していることが分かった。
家族が感染した松山市の男性:
妻に続いて、小学校2年生の次男の陽性が判明しました。妻と次男を2階で隔離して、残りの3人で1階で生活しています
橋本利恵キャスター:
皆さんの体調はいかがですか?
家族が感染した松山市の男性:
妻が少しせきが出るというのと、次男が喉が少し痛いと言っている。残る陰性の3人は症状がない、無症状
一番の問題は「ゴミ出しができない」
食料は、妻の感染が確定する前に念のために買い込んでいたそうで、男性が家事を全て行っている。
また、事情を知った知人などから多くの手助けもあった。
家族が感染した松山市の男性:
長男の同級生のお母さんが、炊きごみご飯とかサラダとか、段ボールいっぱいに入れてくれて、玄関のドアの外に置いてくださって、本当にありがたいなと
一方、自宅療養で今一番困っているのが「ゴミの問題」だという。
家族が感染した松山市の男性:
(感染すると)ゴミも出せない、ゴミ出しにいけない。2階の部屋で出たゴミをどうしよう。密閉してもらって、下に持って降りるしかないんですけど、ゴミの処理の問題とか、そのあたりもありますね
この生活は、どのくらい続くのか。
家族が感染した松山市の男性:
妻の陽性が判明した際に、われわれが濃厚接触者になるので、そこから10日間ということでしたので、2月2日までが自宅で待機する経過観察の期間になります。濃厚接触者に関しては
家族が感染した松山市の男性:
次男の感染が分かりましたので、おそらくそれが1日伸びるんじゃないかな。このあたりは、おそらく保健所から連絡があるんじゃないかと思います。軽く見て、別になっても軽症だしと思ってる方がいたら、いざなったら本当に大変ということは思ってもらっといた方がいい
その後 この男性には、保健所から期間が1日伸びたとの連絡が入った。
容体が急変…すぐ入院できる?
男性の自宅での療養・隔離生活をまとめた。
食事は2階に運び、隔離部屋の前に置く。また、食器は使い捨ての物を使用している。
洗濯は、妻が袋に詰めて、部屋の前に出した洗濯物を男性が回収し、手袋をして洗濯する。
トイレは、2階を感染した家族、1階をそれ以外の家族と別々に使用し、使用後は毎回消毒する。
風呂は、1階の家族が寝たあとに、2階の家族が使用し、接触を避ける。
1階の家族も、いつ感染するか分からないため、家の中でも基本的にマスク生活を続けているという。
また、自宅療養で気になるのは、容体が急変した時、すぐに医療機関に入院できるのかということ。愛媛県立衛生環境研究所の四宮博人所長に聞いた。
愛媛県立衛生環境研究所・四宮博人所長:
愛媛県では、検査で最初に陽性になった人も入院とか宿泊療養施設、自宅での療養という振り分けを専門の先生がされていますので、それから宿泊療養とか、自宅の中でも症状が重くなれば速やかに入院できる体制が維持されていますので、そこは大きく心配する必要はないかなと思います
症状が悪化した患者は、すぐ入院などに移行できるということだが、感染者数が増え続ければ限界が来る。
男性は、「自宅から出られず、制限された生活の中で、大人も子供も精神的にダメージが大きい」と話していた。
重症化リスクは小さくても、生活への影響は小さくない。
(テレビ愛媛)