信州産のレモン「マイヤーレモン」は、オレンジのやさしい甘さとレモン特有の酸味が特徴の果物。長野県内でも徐々に生産量が増えていて、レモンケーキなどに利用されている。

酸味穏やか…県内で栽培広がる

長野県喬木村の「ヤナギファーム」。農業ハウスの奥には黄色い実がたわわに実り、辺りはレモンの香りに包まれている。

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マイヤーレモンは、レモンとオレンジの交配によってできたとされる中国原産の果物。アメリカに持ち込んだ人物にちなんで、この名がついたと言われている。

ヤナギファーム・柳坪美紀さん:
オレンジと掛け合わせたレモンなので、普通のレモンより酸味が穏やかになっています

冬に旬を迎えるマイヤーレモン。一般的なレモンのような酸味はなく、糖度は高め。皮が薄いので丸かじりもできる。

記者リポート:
果汁もたっぷりでオレンジの甘さもすごく感じます。皮も薄いのですごく食べやすいです

戦後、日本でも栽培されるようになり、三重県や和歌山県が主な産地だ。長野県内でもこの20年ほどの間に、少なくとも7軒の農家がハウス栽培をするようになった。

こちらのファームは8年前から。最初は趣味の域だったという。

ヤナギファーム・柳坪美紀さん
ヤナギファーム・柳坪美紀さん

ヤナギファーム・柳坪美紀さん:
主人が花き農家をしている時にハウスの片隅に趣味で育てていて。(最初は)周りに同じような農家がいないので、ちょっとしたことを聞けるところがない。手探り状態で大変だった

少しずつ栽培面積を増やし当初、年間60キロほどだった収穫量は今ではなんと約1トンに。

近年、レモン味の菓子や「レモンサワー」などのアルコール飲料が人気でレモンブームとも言われており、その影響もあってか菓子店やホテルへの出荷が増えているそうだ。

ヤナギファーム・柳坪美紀さん:
レモンブームもあるかなと思うけど、酸っぱいのが好きな方がいて直接、買いに来ていただいたりしている。納品したレモンを使って新しい商品ができるというのを聞くのが楽しみ

皮も練り込んだ人気の焼き菓子

飯田市の「ノエル洋菓子店」。ヤナギファームの取引先の一つだ。

ショーケースには役30種類のケーキやプリン、焼き菓子が並んでいる。中でも人気なのが、マイヤーレモンを使ったレモンケーキだ(1個226円)。

その作り方を見せてもらった。

ノエル洋菓子店・宮澤忠さん:
レモンケーキに入れるレモンピール、レモンの皮を砂糖で煮たものです

マイヤーレモンの果汁を搾り、皮はレモンピールに。砂糖、薄力粉、卵、レモン果汁、そして刻んだレモンピールをよく混ぜる。そこに生クリームとバターを投入。

型に流しこみオーブンで焼く。160度で30分ほど焼き上げれば完成だ。

客:
レモンケーキをもらおうかな。柔らかい酸っぱさ、お子さんでも食べやすい

客:
しっとりしている、みんなが喜ぶ味

店がマイヤーレモンを使い始めたのは5年前。SNSでマイヤーレモンを知り生産者を探していたところ、ヤナギファームを見つけたそうだ。

ノエル洋菓子店・宮澤忠さん:
(地元で)とれるのは知らなかったから使ってみようと思って始めた。オレンジとレモンの掛け合いだから、皮も薄めでジュースがたくさんとれる。季節によってレモンみたいに酸っぱいものから、年が明けてまろやかな感じになるまで、いろいろ用途によって楽しめる利点がある

パンも発売予定「国産のレモンの良さ知ってほしい」

喬木村から遠く離れた軽井沢町の人気パン店も、信州産マイヤーレモンに注目。

「ブランジェ浅野屋」はヤナギファームからマイヤーレモンを仕入れ、新しいパン「マイヤーレモンのはちみつリーフ」を3月中旬に発売する予定だ。

ブランジェ浅野屋・柴田知行さん:
信州の魅力を発信するのと、浅野屋ならではの商品を開発したいと思って。まだまだマイヤーレモンって聞きなれないと思うので、国産のレモンの良さや信州の食材の良さを感じてほしい

コロナ禍でヤナギファームでも飲食店への出荷は減っている。ただレモン人気は続いており、今後に期待しつつ、さらに品質を向上させたいとしている。

ヤナギファーム・柳坪美紀さん:
レモン需要が結構あるので、増やせたらいいなと思う。毎年毎年のことだけど、いいものを作れるように頑張っていきたい

(長野放送)