北海道ではうんざりするほどの雪が続いている。増えているのが、立ち往生などの車のトラブルだ。
ロードサービスを行う日本自動車連盟、JAFへの依頼も急増する。救援活動の現場に密着した。

大雪で相次ぐ道路や駐車場での「スタック」

北海道を襲った冬の嵐。大雪で車の立ち往生などのトラブルが相次いだ。

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立ち往生した車の運転手:
4~5回雪に埋まった。今、JAFに救援を依頼した

JAFへの救援依頼が殺到。2022年に入って最も多かった1月14日には、北海道内で1日約2300件に上った。

JAFロードサービス隊 札幌基地。班長の三村 原生さんはこの道27年のベテラン。

JAFロードサービス隊 札幌基地 三村 原生さん:
これから出動します

雪で狭くなった道路を慎重に進む。

JAFロードサービス隊 札幌基地 三村 原生さん:
あせる気持ちを抑えて、平常心を保つようにしています。右よし、左よし

現場に到着。駐車場で車が雪に埋まり、動けなくなっていた。

依頼者:
雪山に乗り上げてしまい、そのままつかえて動けなくなった

まず、車周辺の雪を手作業で取り除く。その後…

JAFロードサービス隊 札幌基地 三村 原生さん:
電動のモーターで巻き取るワイヤーで、引こうと思います

車をワイヤーでつなぎ、状態を確認しながら少しずつ引っ張る。

作業開始から約15分、埋まった状態から脱出することができた。

依頼者:
2022年に入って、すでに2回目の依頼。すごく助かっています

今回の作業の料金は1万3130円。JAFの会員になると、30分以内の作業は無料になる。

JAFロードサービス隊 札幌基地 三村 原生さん:
次の依頼が入りましたね。エンジンがかからないということなので、行きます

作業終了後、すぐに次の依頼が。車のエンジンがかからなくなったという。

「エンジンがかからない」トラブルも続出…

車の持ち主に状況を聞いた。

JAFロードサービス隊 札幌基地 三村 原生さん:
最後に乗ったのは、いつごろですか?

依頼者:
12月22日ごろ

JAFロードサービス隊 札幌基地 三村 原生さん:
2週間くらい、乗っていないんですね

寒さでバッテリーが上がってしまったようだ。機器を使って詳しく調べた。

JAFロードサービス隊 札幌基地 三村 原生さん:
11ボルトまで下がっているので、バッテリー上がりで間違いないです

バッテリー上がりは冬の間、最も多いトラブル。年末年始の1週間の出動2753件のうち、約半分を占めた。厳しい寒さが続いたため、例年より特に多くなったという。

電気を供給しエンジンをかける。作業料金は1万3130円だった。

依頼者:
すごく助かります

この日は、あわせて4件のバッテリー上りの救援依頼があった。

防ぐためには、こまめにエンジンをかけるほか、定期的な点検が必要。特に寒い冬は注意が必要だ。

この日、三村さんは8時間で9件の依頼に対応した。

JAFロードサービス隊 札幌基地 三村 原生さん:
『ありがとう』と言ってもらえると、本当にやっていて良かったと思います

冬道を運転する際には十分にご注意を。

立ち往生してしまったら…自分でできる脱出法

雪道で立ち往生したら、どうしたらいいのか。自分でできる対処法を、JAFにアドバイスしてもらった。

一つ目は、いたずらにアクセルを踏まずタイヤの周りを雪かきする。あせってアクセルを踏み込むと穴が深くなり、脱出できなくなりがちだ。

二つ目のポイントは、前進と後退を繰り返し、勢いをつけて脱出すること。

スコップを車に積んでおき、雪の状態をよく確認しながら、安全運転をこころがけるようにしたい。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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