連日の雪かきで、腰の痛みに悩まされている方も多いのではないだろうか。特に湿った雪だとなおさらだ。
腰を痛めない雪かきの仕方をリハビリや運動機能向上に詳しい専門家に聞いた。
体を丸めず、背中はまっすぐ
まず第1のポイントは「姿勢」。
Do-Clinic 山崎肇 副院長:
毎年冬になると、雪かきが原因の腰痛で来院する人が増える。雪かきの姿勢自体が体に負担のかかる動作が多く、腰を曲げる状態はかなり腰に負担がかかってくる

まっすぐ立った状態を横から見た時の背骨。下の方でカーブしているのが腰だ。このように腰を曲げた状態で雪かきを続けると、腰の筋肉で体全体を支えることとなり腰痛を引き起こしやすくなるのだという。

それでは、どのような姿勢がいいのだろうか?
Do-Clinic 山崎肇 副院長:
体はまっすぐのまま、股関節と膝を曲げて雪かきをすると良い
腰ではなくお腹の筋肉を使う。太ももの付け根からお辞儀をするように膝を曲げ、お腹と足の力で体を支える。雪を持ち上げるときは膝を伸ばすようにする。

スコップを上げる高さ・握り方も重要
そして、腰痛を防ぐ第2のポイントは「雪を投げる動作」だ。
Do-Clinic 山崎肇 副院長:
スコップは「胸より高く上げない」こと。高く上げようとすると腰が反りやすくなる。また「同じ方向ばかり投げない」こと。一つの方向だけだと、その筋肉だけが負担がかかるので逆方向でもやること

第3のポイントは「スコップの握り方」。
Do-Clinic 山崎肇 副院長:
スコップを握るときは小指側の力が重要になる。力の入り方が変わる
"上から握る"ことで、力まずに力を入れることができる。その結果、足腰への負担が少なくなるという。

雪かきを”始める前”も大事
そして、最後のポイントは「準備運動」。寒い朝に体が冷えた状態で雪かきを始めると…。
Do-Clinic 山崎肇 副院長:
固まっている筋肉がいきなり伸ばされるので、非常に筋肉に対する負担は大きい
雪かきは、テニスやバレーボールなどと同じ強度が体にかかるハードな全身運動。スポーツの前には準備運動を行うはず。雪かきの前にもそれが必要だ。
Do-Clinic 山崎肇 副院長:
お腹を見るようにしながら、体をグーっと丸める。背中の筋肉が伸びるのを感じる

Do-Clinic 山崎肇 副院長:
次におしりを突き出すようにして後ろにぐっと下がっていき、太ももの裏側の筋肉が伸びるのを感じる
このストレッチを雪かきの前後に2~3回行うと効果的だ。

この冬は「姿勢」「雪を投げる動作」「スコップの握り方」「準備運動」を意識して、雪かきによる腰の痛みを防ごう。
腰痛にならない4つのポイントをもう一度おさらい。

【姿勢】背中はまっすぐ。股関節を開き膝を曲げる。腰ではなくおなかの筋肉を使う
【雪投げる動作】スコップは胸より高く上げない。同じ方向ばかり投げない
【スコップの握り方】スコップの柄は上から握る。力が入りやすく足腰に負担がかからない
【準備運動】特に背中と太ももを伸ばすストレッチを
(北海道文化放送)