車の販売を巡るトラブル。「長野市の販売店に代金を支払ったのに車が来ない」と、客の一部が被害届を出す事態となっている。渦中の業者とは音信不通。困惑や憤りの声が上がっている。
この記事の画像(6枚)長野市内の50代女性:
単純に…どうしよう、本当にどうしようって思いました
2021年1月に契約も…1年たっても納車されず
困惑の声を上げる50代の女性。2021年1月下旬、長野市内の自動車販売店で軽自動車を購入する契約を結んだ。
女性は過去にも店で2台の車を購入しており、以前と同様、ドライブレコーダーと合わせた代金194万円を現金で前払いした。
納車は当初、ゴールデンウィーク明けの予定だったが…
(販売店社長からのメッセージ)
「今月末準備しますので、お待ち下さい宜しくお願いします」
長野市内の50代女性:
ずっとこうやって逃げるんです
催促するも「生産が遅れている」…その後、音信不通に
女性は何度も納車や返金を催促したが、社長は電話で「コロナ禍で半導体が不足し、生産が遅れているだけ」などと繰り返すだけ。
年末からは、連絡さえも取れなくなったと言う。
社長の携帯電話にかけてみるが…
(社長の携帯電話の音声)
「おかけになった電話番号は、現在使われておりません。番号をお確かめになっておかけ直しください…」
18日現在も社長、店とは連絡が取れない状態だ。
納車されていない客は女性以外もいて、SNS上では…
(SNS上のコメント)
「ここで車を契約しても納車されません。キャンセルしてもお金は返ってこないです」
「私も400万円で契約しましたが納車がされていません。これまでに何度も催促しています」
記者リポート:
被害が続出している自動車販売店です。店内の電気は消え、人の気配も全くありません
以前は高級車が並んでいたショールームも、今はもぬけの殻。
駐車場には、中古車とみられる車が数台止まっているだけだ。
店がオープンしたのは1995年。支払いは現金前払いで、店は県内外のディーラーから国産車・外車を仕入れて販売していた。
被害は1億円超か 警察も捜査進める
「社長のネットワークで、安く車が手に入る」とアピールし、顧客を増やしていったと言う。
関係者によると、被害の訴えは少なくとも数十人に上り、額は合わせて1億円を超える可能性もあると言う。警察は「被害届を複数受けていて、捜査を進めている」としている。
納車も返金もなく、契約から間もなく1年が経つ女性。代金の200万円はパートの仕事で工面したもので、「一部でもいいから返して」と訴えている。
長野市内の50代女性:
私の(パートの)2年間の年収です。できるのであればちゃんと償って、全額でなくても一部でもいいので、もし返金してもらえるのであればありがたい
(長野放送)