企業トップが「最も重視したいこと」は?

2022年、最も重視して進めたいことは何か。各業界の経営トップに聞いた。

岸田首相:
日本経済の局面転換に弾みをつけるためにも、経済界の皆さまにおかれては賃上げに攻めの姿勢でご協力いただけるようお願い申し上げます。

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2年ぶりの開催となった今年の経済3団体・新年祝賀会。
その席で、岸田総理大臣は「攻めの姿勢での賃上げ」を要請した。

賃上げだけでなく、SDGsや長引く新型コロナの影響と例年にも増して難しい舵取りが迫られそうな今年。アルファは、経営トップが「最も重視して進めたいこと」は何か、「DX推進」「脱炭素」「働き方改革」「健康経営」を選択肢に聞いてみた。

感染拡大の影響で昨年は思わぬ低空飛行を強いられた航空業界。ANAホールディングスの片野坂真哉社長が挙げたのは「脱炭素」。

ANAホールディングス・片野坂真哉社長:
鍵を握るのがバイオジェット燃料の導入なんですね。これが今、非常に価格が上がっていて輸入に頼っているんです。
ですから私たちは航空のバイオジェット燃料を国産化、量産化をして取り組んでいきたいと思っています。

三田キャスター:
CO2排出量の多い航空業界だからこそドラスティックな変化が起こる?

ANAホールディングス・片野坂真哉社長:
(ANA HDの)CO2は98%飛行機から出しているので、日本のメーカーさんや商社、なんと言っても石油元売り業界と皆で協力して取り組んでいきたい。

大手商社・伊藤忠商事の岡藤正広会長は「健康経営」を選択。

伊藤忠商事・岡藤正広会長:
やはり社員は企業にとって宝物、最大の経営資源なわけですから、特に商社の場合はメーカーさんと違って人が資本ですから社員の健康というのは最大の注意を払って会社としても支援する必要がある。

三田キャスター:
今年、新たにトレンドとなりそうな産業については?

伊藤忠商事・岡藤正広会長:
今、深刻な問題として食糧問題がありますよね。これを解決する1つの方法として「フードテック」が注目されています。例えば、大豆から肉の代替物を作っています。パスタだけに必要な栄養も全部入れてしまうようなテクノロジーがどんどん進んでいる。これから注目されて伸びる分野だと思いますね。

そして、同じく「健康経営」を選択したのは大和証券グループ本社の中田誠司社長。

大和証券グループ本社・中田誠司社長:
ちょうど1月から勤務時間中は禁煙というのを改めてそういう制度をスタートさせた。改めて心身ともに健康を目指し、それは会社自体も健康になると考えています。

三田キャスター:
今年の平均株価の最高値の見通しは?

大和証券グループ本社・中田誠司社長:
今年は例年になく強気です。実は来年度の日経平均銘柄の業績を見ると、日経平均銘柄の全体の一株あたり利益が2355円を想定している。2355円に15倍をかけると3万5000円という数字が出てくる。企業業績から平均的なPER(株価収益率)で考えると、3万5000円というのはそんなに無理なくでてくる数字。ですから3万5000円くらいいってくれるといいなと期待感も込めて思っています。

一方、サントリーホールディングスの新浪剛史社長は・・・

サントリーHD・新浪剛史社長:
全てです。私は経営者として失格でどれを選べと言われても困るので全部です。全部やります。

「全てを重視」と答えたサントリーホールディングスの新浪社長。特に働き方改革については・・・

サントリーHD・新浪剛史社長:
働き方改革はzoomを一生懸命使ってきたがもっとface to face をやる。むしろ向かい合ってコミュニケーションをする。私どもはお酒の会社でもありますから一杯やりながらとことん話す。
どちらかというとサントリーは、「みんなで会って話そうぜ」の方が多いかもしれません。そっちをやりたい。

総理から要請があった「賃上げ」についてもこう答えた。

サントリーHD・新浪剛史社長:
絶対やらないといけない。私たちはこの賃上げをやっていこうと思っています。ただし、働き盛りのところに強く傾斜配分したりとか、傾斜の配分はしないといけないと思っている。年収をすごく重視しているので、年収ベースで上げていくということで考えています。

三田キャスター:
多くの企業が持続的な経営目標を持って事業変革や脱炭素の取り組みを強化していくようです。
中でも企業の持続的成長をはかるためには、特にコロナ禍は従業員の健康管理は重要課題と位置付けられるようで、働き方の先にいかに「働き甲斐」を持てるか、健康経営というのは今年もカギとなりそうです。

(「Live News α」1月5日放送分)