大阪・北新地のクリニックで25人が死亡した放火殺人事件で、容疑者の自宅とみられる住宅から、複数の放火事件の記事が見つかったことが分かった。過去の事件の手口をまねた疑いが浮上している。
住宅から「京アニ」事件など複数記事

火災現場となったビルには21日も花を手向ける人が絶えなかった。
クリニックに通っていたという50代の男性は犠牲となった西沢弘太郎院長についてこう話した。
「すごいいい先生で、診察を受けるたびに心が癒されるというか」

依然、重篤な状態が続く谷本盛雄容疑者、61歳。
自宅とみられる住宅からは複数の放火事件に関する記事が見つかった。
谷本容疑者が過去の事件をまねた疑いが浮上している。

2019年7月、京都アニメーションで社員ら36人の命が奪われた放火殺人事件。
谷本容疑者の自宅とみられる家には、この「京アニ事件」から2年がたったことを伝える今年7月の新聞記事が残されていた。

さらに今年3月、徳島県で起きたアイドルグループのライブ会場放火事件の記事も見つかっていたことが新たにわかった。

ビル放火、周到に計画か
この二つの事件に共通するのが「犯行にガソリンが使われた」ことだ。
谷本容疑者は11月下旬、大阪市内のガソリンスタンドでバイクに使うなどと嘘の説明をし、ガソリン約10リットルを購入した。このことから少なくとも3週間ほど前から事件を計画していた可能性があるとみられる。

クリニック非常扉にテープ
現場となったクリニックでは「犯行の下準備」をうかがわせる「異変」が起きていた。
事件当日の朝、クリニックの非常扉に外側から隙間がなくなるようにテープが貼られているのを職員が見つけたと西沢院長が妻に話していたという。

谷本容疑者の自宅とみられる家からは「隙間や消火栓はどうすべきか」などといった手書きのメモが見つかっている。

警察は、放火した際に誰も逃がさない狙いで、谷本容疑者がテープを貼った可能性もあるとみて捜査を進めている。
(イット!12月21日放送より)