いま注目されている「おてつたび」。JR西日本、JAなどが連携した新たな取り組みが始まった。忙しい時期に人手が不足する農家と、観光の閑散期の需要創出…。地方が抱える課題の解決につながるのか。

全国初、複数の農家で人材をシェアリング

広島県尾道市瀬戸田町の農園で、収穫を手伝う3人の女性。県内の大学生のほか東京や愛知など、それぞれ別の場所から集まった「おてつたび」の参加者だ。

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「おてつたび」とは、「お手伝い」と「旅」を組み合わせた造語で、近年は参加倍率が3~5倍と注目が高まっている。

旅行者はサイトを通じて応募し、旅先で人手不足に悩む農家をお手伝い。働きに応じた報酬が農家から支払われることにより、旅行者は旅費を削減でき、観光客減少に頭を悩ませる地域の土産物店などにとっても売上に繋がるメリットがある。

今回は実証実験として、JR西日本や尾道市などが柑橘収穫の最も忙しい「農繁期」の人手不足と、観光の「閑散期」の地域課題を解決する、全国初のモデル事業に取り組んでいる。

JR西日本広島支社地域共生室・内藤真也地域プロデューサー:
地域の経済、産業、文化歴史を守り育てていくことは、地域の事業者として、みんなでやっていかないといけない。地域の課題は明確にあって、そこに農家さんだけで取り組んでくださいという時代ではないと思います

JR西日本広島支社地域共生室・内藤真也地域プロデューサー:
おてつたびのビジネスモデルは、1つの農家が人材募集をかけるという1対1の人材募集の仕組みですが、実証実験では複数の農家で人材をシェアリングする。これが全国初です

時給900円で収穫作業を手伝い、休日に観光

その実証実験第1弾として手を挙げたのは3つの柑橘農園。

その1つで、あわせて4.5ヘクタールを家族3人とパート従業員の力で収穫している田坂農園の田坂知也さん(26)。父から農園を継ぎ、2021年で2年目だ。

田坂農園・田坂知也さん:
大学は農学部で、社会人経験も積んでから

地元の産業を守るため奮闘する若手後継者。その力になりたいと今回、十数人の中から選ばれた4人の学生や社会人が参加した。11月27日から12月15日までの間で可能な期間中滞在し、3つの農園で活動する。

東京からの参加者:
無になれる、集中して。それでちょっと顔上げた時に綺麗な風景が広がっているから癒される

こちらの女性は、愛知から今回初めて広島に来たという。

愛知からの参加者:
名所旧跡とか観光地に行くよりも、そこの生活を楽しむのがいいですね

今回のモデルでは、ゲストハウスに通常の半額の1泊2000円で宿泊しながら、時給900円で収穫作業を手伝い、休みの日に観光を楽しむ。

――旅行費としてはかなり安い?

愛知からの参加者:
そういう損得で考えると足は出ますよ。稼ぎにはならないですけど、でも経験とか体験はお金にはならないので

JR西日本などは2022年、2回目の実証実験も計画しているという。

(テレビ新広島)