大量に束ねられた50本以上の傘に、大きなキャリーケース。これらは東京と神奈川を走る東急線の駅や車内などで見つかった忘れ物の品々。

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こうした忘れ物は保管期間が過ぎると廃棄物として処理され、その量は実に年間約25トンにも上るという(2020年度実績)。

持ち主が3カ月現れない忘れ物を再流通へ

12月8日、東急電鉄は中古品などを中心に扱うブックオフを通じて、保管期間が過ぎた忘れ物を再流通させる取り組みを開始すると発表した。

売却される忘れ物は遺失物法に従い、警察に届け出てから3カ月経っても持ち主が現れず、所有権が東急電鉄に移ったものに限られる。

その利益は、再生可能エネルギー100%で走行する世田谷線の電力購入などにあてるとしている。

今後は東急が運営する商業施設や、バスなどの忘れ物も対象として検討するという。

“個人が特定できない”カバンやイヤホンなどが対象

では、どんな物が売りに出されるのか。

東急フューチャー・デザイン・ラボ 小菅裕智さん:
携帯電話や免許証など、個人が特定できるようなものはすべて含まれない。カバンですとかワイヤレスイヤホンなどが入ってくると思います

他に、名前が入っていないネックレスなどの貴金属や腕時計なども売りに出される予定だという。

一方、忘れ物を買い取るブックオフにもメリットがある。

ブックオフグループホールディングス・森葉子取締役:
我々の事業にとってもプラスになっております。品数をそろえるといったところは各店、非常に苦労している。東急さまから買い取れることは、非常に大きな我々のメリットです

東急電鉄での忘れ物は2022年1月から3月にかけて、首都圏の雑貨などを扱うブックオフ約20店舗で購入できるという。

(「めざましテレビ」12月10日放送分より)