和紙製ホームウェア

東京・青山で9日行われたアパレルブランド「aloof home」のオープニングセレモニー。

店内にはショート丈のかわいらしいニットのカーディガンや優しい色合いのジャケットなどが並んでいる。

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タグを見てみると「紙 100%」と表記されている。

クレサヴァ・園部皓志代表取締役:
「aloof home」 は全て和紙製品でできているホームウェアブランドです。

素材として使われているのは「和紙」。
耐久性や伸縮性などを追求し、約3年の歳月を経て和紙の服を実現させた。

袖を通してみると、和紙のような感触はあるものの軽くて肌触りが良い。

海洋汚染の原因となる合成繊維ではなく、天然繊維である和紙を使用した服だが、環境に優しい取り組みはこれだけではない。

クレサヴァ・園部皓志代表取締役:
 aloof homeの製品に関しては、回収したのち、1つは(コンポストで)肥料化することで、もう一方では、土の上にのせて土に返るような行動を促しています。

和紙は土に返すことで肥料となり、土壌や水質を浄化する効果があるといわれている。
そこでaloof homeでは着なくなった服を「捨てる」のではなく、「土に返す」サイクルを構築した。

購入客が着なくなった洋服は店舗で回収し、あとは自社農場の土の上にかぶせるだけ。

約1カ月後、生地は薄くなり、ところどころに穴が空いている。
これは土の中の微生物によって服が分解されたことによるもので、 肥料となり農作物の成長を促すというのだ。

さらに、育った野菜は店内のバーカウンターでスムージーとして飲むことができる。

また、野菜の肥料となる服を効率よく回収するため、独自の購入システムも導入している。

購入価格は「着用期間」で決定

クレサヴァ・園部皓志代表取締役:
私たちは定価で販売ではなくて、お客さまが着たい日数に応じた販売手法になっています。
その中でも365日着たい、180日着たい、90日着たいによって価格が変わってきます。

希望の着用期間によって値段が変わる購入システムで、定価が42,000円のジャケットの場合は以下の料金となる。
365日は、35,700円(15%値引き)
180日は、25,200円(40%値引き)
  90日は、14,700円(65%値引き)

捨ててしまう服を減らすだけではなくリピート率を増やす狙いだという。

クレサヴァ・園部皓志代表取締役:
(日本では)年間33億着の廃棄が出ていて、それをどう改善できるかが一番の目的かなと。
今後は京都・美山に農園があるので、京都で新しい店舗も開いていこうと思っています。

「衣」から「食」へつなぐ新たなアパレルの形。
店舗は11日オープンを迎える。

(「Live News α」11月9日放送分)