新型コロナの感染拡大を受けた支援策を巡り、公明党が衆院選の公約に掲げていた「18歳以下に現金10万円を一律給付する」という案などについて、週明け8 日から政府与党の調整が本格化するが、政府内からも「“公明の公約丸のみ”となれば驚きだ」などの声があがっている。

18歳以下の子どもに対象絞る理由は

公明党は選挙公約で「未来応援給付」として、18歳以下の子どもに1人一律10万円相当の給付をすることを掲げ、今月に入り「基本的には現金で給付する」という新たな考えを示した。

公明党の山口代表は18歳以下のこどもに10万円を給付する理由について「新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、子育て世帯は食費や通信費など出費が増加している」(9月21日)と述べ、子どものいる世帯の経済的な負担が増加していることを挙げた。

さらに山口代表は「未来の世代をしっかり育てることがこれからの安定につながる」と18歳以下の子どもに対象を限定したことの意義を強調している。

所得制限設けない理由は「遅れる」から

公明党・山口代表(10月30日)
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一方で、富裕層も含めた一律支給には「バラマキ」との批判もある。山口代表は衆院選中の街頭演説で「所得を分けていたら今度は所得をどういう基準でわけるかという手間のかかることをやる」「タイミングが遅れてしまう」(10月30日)と強調した。

所得制限を設ければ基準をどうするかなどで時間がかかり迅速な給付が出来なくなると説明、さらに「親の所得によって子どもを分断するやり方はふさわしくない」としている。また必要な財源については2020年度の決算剰余金の約4兆5000億円の活用を提案。

18歳以下の子どもは約2000万人で、一律10万円給付すれば予算額は2兆円となるが、決算剰余金を活用すれば新たな国債を発行する必要がないため、現実的な財源だと主張し、「バラマキ」批判は当たらないとしている。

対象外の生活困窮者を巡り異論も

国民民主党・玉木代表(5日)

「18歳以下に現金10万円一律給付」の公明案については異論も噴出している。国民民主党の玉木代表は「子どものいない困窮している方は今回の公明案では救われない」(11月5日)と指摘。

政府内からも「18歳以上で困窮している人など公明案の枠で捉えられない人もいる」(政府関係者)、「公明党の意見をそのまま呑むことはしないだろう。自民党の意見もある」(別の政府関係者)との声があがる。

一方で、公明党幹部は「選挙でこれだけ勝っているのだから必ずやる」と自信を見せる。週明け8日から政府与党の調整が本格化するが、給付の対象をどうするのか、支援が本当に必要な人にどうすれば素早く届けられるのかなどが議論の焦点となる。

政治部
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