社内交流の新たなカタチ

テレワークの広がりに対応する新しい社内交流の提案に注目。

都内にあるイベントスペース。
そこには午後7時すぎ、モニターを食い入るように見つめる女性と真剣な表情の男性が。
2人が行っていたのはパズルゲーム。

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なかなかの盛り上がりを見せている2人だが、仕事終わりにゲーム大会を楽しんでいる、わけではない。

参加したIT企業の担当者:
職場懇親のために活用できればと思い、見学にお邪魔しました。

実はこれ、企業内で実施されることを想定したeスポーツの体験会。NTT e-Sportsは社内レクリエーションとしてeスポーツの企画や運営支援を行うサービスの提供を先月10月から始めた。

対面での対戦はもちろん、リモートでの対戦やその様子を配信することもでき、誰でもどこからでも参加することが可能だという。

IT企業の担当者:
ビデオ会議のツールもあるし、チャットもあるし、電話ももちろんできるんですが、意外にプライベートな話をする時間がなくなってしまったなぁと思って。

参加していた女性の会社では、以前はランチや仕事終わりの飲み会などで自然にコミュニケーションが取れていたというが、テレワークが常態化したことでコミュニケーション不足に。

IT企業担当者:
ちゃんと約束して集まらないとコミュニケーションがなかなか取れない。
育児休暇中の人たちにもゲームに参加してもらえたらもっと楽しいかなと。

サービスを提供するNTT e-Sportsは・・・

NTT e-Sports​ 影澤潤一副社長:
若い世代を中心に興味を持たれているeスポーツを社内のレクリエーションに使えないかという声を多くいただいた。

ゲームのイベントもエンターテインメントですので、必ずしもオンラインが良いというわけではなく、集合型のオフラインというところに醍醐味があります。ゲームだけではなく、そのあとに生まれた交流など、その場でお酒も含めて楽しんでいくツールとしてeスポーツがあると思っているので、まさにこれからだと思います。

社内交流の新たなカタチとしてeスポーツは定着するのか、取り組みは続く。

"雑談"の機会をどうデザインするか

三田友梨佳キャスター:
社員全員がリモートワークで働く株式会社キャスター取締役CROの石倉秀明さんに聞きます。

テレワークは効率的である一方、コミュニケーションに課題を抱えている企業は多いと聞きますが、今回の試みも新しい社内交流の形となりそうですね。

株式会社キャスター取締役CRO・石倉秀明氏:
テレワークが浸透してきた中で、いろいろな相談を受けたり悩みを聞きますが、一番多いのは「気軽な相談」や「雑談」をどう増やすかということです。

ウェブ会議やチャットが浸透したことなどで仕事上必要なコミュニケーションはできるが、どうしても目的がない会話や気軽に相談するなどが抜けがちになっています。

これからの企業、特にマネジメントする人にとって必要なのは「仕事以外の話をする機会をどうデザインするか?」という能力になってきています。

三田キャスター:
確かにデスク周りで行っていた気軽な会話をどうやってオンラインで行うのか、戸惑っている方や企業も多いですよね。

石倉秀明氏:
雑談や気軽な相談をするときに、オフィスだと「今話しかけても大丈夫だ」とパッと様子をみて判断できますが、テレワークだと話しかけて大丈夫そうか空気を読むことができずに苦労してる人が多い印象があります。

そのため今回のeスポーツのように、日頃と違う活動をやることで親睦を深めて関係を構築して話しやすくすることは有効だと思いますが、ただ、これを毎日やるわけにもいかないですし、時間帯によっては参加者が限定されてしまうので、常日頃からオンライン上で、気軽に話しかけたり、仕事以外の話ができる仕掛けをどれだけ散りばめられるかが問われます。

三田キャスター:
オンライン上でのフランクなやりとりを促すにはどんなことが必要ですか?

石倉秀明氏:
例えば、チャットでスタンプをたくさん用意して返信しやすくしたり、日報に仕事に関係ないことを書いてもらい会話のきっかけにしたり、 あるいはメールに「おつかれさまです」などの定型の言葉をやめてカジュアルに話しかけられるようにする。

ひとつひとつは細かいことですが、こうやったら雑談が増えるのではというのを数多く試して、自社に合うものを見つけるのが大事だと思います。
こうした取り組みにはコストはかからないので、まずやってみる、そしてそれを楽しむことが大事だと思います。

三田キャスター:
様々な取り組みでコミュニケーションを円滑にすることで組織をより強くさせることにも繋がるのかもしれません。

(「Live News α」11月3日放送分)