メディアの事前予測は大体的中

今夜8時の投票〆切と同時にテレビ各局が出した議席予測によると、自民党は大幅に議席を減らすも単独過半数はギリギリ、与党では絶対安定多数を取りそうだ。立憲は議席増、維新は大躍進で、他の野党は現状維持、という感じらしい。

大躍進の日本維新の会
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事前の予測ではFNN産経、読売日経などの「自民単独過半数は微妙」という予測に対し、朝日が「自民過半数確保。立憲横ばい」と打ち、珍しく各社の読みは割れた。僕は「その中間くらいじゃないか」と予測したのだが、まあ誰も外さなかった。

今夜の予測が正しいなら自民、立憲、維新、それに他の野党、いずれも「勝った」と言える、すなわち誰も負けなかったとってもフシギな結果である。これは僕の予測が当たり。

オヤジの苦戦

選挙区をざっと見てみると自民は石原伸晃元幹事長が小選挙区での落選が確実になり、甘利幹事長や現職閣僚が苦戦。実はこの傾向は自民だけでなく立憲も小沢一郎氏が苦戦中。与野党問わず強い対抗馬がいるオヤジは苦しんでいる。今回は大島衆院議長、伊吹元議長、立憲の赤松元副議長などベテランの引退が相次いだが、一気に世代交代が進む印象だ。

苦戦をしいられている甘利氏

自民の議席数はまあボチボチである。その理由はたぶん岸田首相の「パンチ」のなさだろう。何をしたいのか良くわからない。でも悪くもない。河野は左で高市は右なのが嫌だから岸田にしとくか、という自民党の守りの判断は有権者にとってあまりワクワクするものではなかっただろう。

どうやら誰も負けなかった

ただ自民が減らす割に立憲はそれほど増やさないようだ。やはり枝野首相の元で共産党と「限定的な」閣外協力をする野党政権を有権者は望まなかった。だから今回、無党派層は自民には期待しないが立憲も嫌だと思って維新に投票した人が多かったのではないか。維新が現有の3倍増、あるいは4倍増の勢いというのが今回の選挙の最も大きな特徴だろう。

さてこれからどうなるのか。この原稿を書いている31日夜9時の時点ではまだ議席が確定していないのだが、もし自民が単独過半数を取ったら岸田首相はもちろん続投だし、公明の影響力も限定的になるので、たとえば公明の「18歳以下の若者全員に10万円配る」という「超バラマキ」公約についてもたぶん所得制限をつけることができる。

岸田首相は「聞く力」がありボトムアップの人なので、官僚の言うことを聞き、財界の言うことも聞き、もちろん野党の言うことも聞き、メディア、学者、医者、すべての人達の意見を聞くだろう。でもこれはすなわち誰の言うことも聞かないということではないか。みんなが一見ハッピーになる、ユルーい時代が来るような気がする。

フジテレビに生出演して「今後も様々な取り組みを続ける努力を続ける」と発言する岸田首相

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】