リゾート地では除去作業追いつかず…

沖縄県恩納村のリゾートホテルの窓の外に見えるのは、青く透き通った海。しかし、ビーチを覆っているのは灰色の軽石だ。

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東京から来たという観光客は…

東京からの観光客:
最初はショックでしたね。せっかく白い砂なのに残念です。

ホテルでは毎日軽石の除去を続けているが、次々と押し寄せる大量の軽石に作業が追いつかない状態だという。

ホテルモントレ沖縄スパ&リゾート・横山寛統括支配人:
これから修学旅行シーズンに入ってまいります。なんとか綺麗な、クリーンな環境作りを努めながら、お客様を出迎えてまいりたいというふうに考えております

漁業やフェリー運航にも深刻な打撃

沖縄本島北部の国頭村の辺土名漁港では、軽石が漁港の海面をびっしりと覆いつくしていた。重機を使って海面の軽石をすくい取る作業を続けているという。

10月中旬から軽石が流れ込んできたという辺土名漁港。沖縄県内では約750隻の漁船が漁を見合わせるなど、漁業に深刻な影響を及ぼしている。

沖縄県職員:
工事期間中は港を閉め切って(軽石が)入ってこないようにしてすくい取るしかないので、この2、3日の状況を見てどの程度かかるのか把握したいと思っています

10月28日に上空から撮影した映像で防波堤の上に見える生け簀では、軽石の漂着後、育てていた魚の半分が死んでしまったという。

海中には無数の小さな軽石が漂い、死んだ養殖魚の胃袋の中には大量の軽石が詰まっていた。漁港の組合長によると、魚が餌と間違えて食べてしまうことが大量死の原因だという。

被害が深刻化している軽石の大量漂着。

引き金は小笠原諸島の海底火山の噴火とみられ、今後は軽石が黒潮に乗って北上し、11月下旬には関東まで流れ着く可能性があるという。

10月29日午後3時過ぎに撮影された沖縄・久高島上空からの映像を見てみると、海面に灰色の軽石が帯のように広がっているのが確認できる。

この影響により、沖縄本島と久高島を結ぶフェリーと高速船が運航できなくなっていて、軽石の漂着による定期船の運航停止は県内で初めてのことだという。

こうした状況を受けて政府は「政府として軽石の回収、船舶の安全確保、漁業被害への支援など引き続き万全の対策を取っていく」としている。

(「イット!」10月29日放送分より)