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東京・代官山の複合施設で開催されている、お土産店のポップアップイベント。店内には様々なお土産が並べられているが、実は、あるコンセプトが掲げられて、作られている。

イノベーションデザイン haishopブランドマネージャー 和田奈央さん:お土産を通して、社会的な課題の解決を目指すということを、コンセプトにしたお土産ショップです。具体的には食品ロスの削減に繋がるような食品であったり、海洋プラスチックゴミからアップサイクルされたステーショナリーであったりとか、そういった問題の解決に繋がっている商品を取り扱っています。

社会課題の解決を目指したお土産作り。こちらのトマトジュースは、規格外のトマトを使い、無添加・無香料で作られている。トマトジュースは就労支援施設で作られており、食品ロス削減・障害者支援の2つの社会課題解決に向けて作られた。

こちらは海洋プラスチックゴミから作られたお皿だが・・・

イノベーションデザイン haishopブランドマネージャー 和田奈央さん:裏を見て頂くと、後ろに原材料産地ってお野菜みたいに産地が書かれている。これは三浦海岸で取られたもので、色んな海にゴミがあって、それをちゃんと拾う人たちがいる事と、それをアップサイクルする人たちがいる事を伝えていけたらなと。この商品自体が無くなる事が一番の理想なので・・・。

他にも渋谷、横浜にも店舗を展開。社会課題をより身近に感じてもらうために、小学生と一緒に廃棄物を使ったお土産作りのプロジェクトを開催した。

渋谷の店舗では、作られたお土産をそのまま販売し、手に取ったお客にその商品の背景やストーリーを知ってもらうための工夫が施されている。今後の目標は…

イノベーションデザイン haishopブランドマネージャー 和田奈央さん:47都道府県に同じコンセプトでお店を作っていくことで、地元に根付いたお土産を発信する事が出来たらなと思います。よくビジネスとサステナビリティって、両立させることがすごく難しいと言われていると思うんですが、

イノベーションデザイン haishopブランドマネージャー 和田奈央さん:まずは私たちがそこを両立させるということで、本質が何かということをちゃんと理解する。自分が興味のある商品・興味の持てる問題を見つけて頂いて、そこからスタートして、色んな問題を学んでいって頂きたいなと思っています。

内田嶺衣奈キャスター:このニュースについては、デロイト トーマツ グループの松江英夫さんに話をうかがいます。社会の課題解決を目指したお土産作りということですが、松江さんは、実際に、この店に行かれたそうですね。

デロイト トーマツ グループ松江英夫氏:そうなんです。実際に行って、商品を手に取ってみると、結構、新しい発見がたくさんあるんですね。例えば、さきほどの海洋ゴミのトレーなんかは、かなり色鮮やかなんですけれども、これは1回しか再現できない、唯一無二の色らしいです。こういった発見がたくさんあったんですが、今回の最大の特徴は、こういったものを人に伝えたい、お土産というところに注目していることにあると思うんです。

デロイト トーマツ グループ松江英夫氏:今までも、こうしたSDGs商品は、作り手と買い手の間では、エシカル消費ということで、だいぶん広がってきているんですけれども、今回は、お土産ということになりますと、買い手が、誰かに贈る贈り手にもなる、それによって、作り手と贈り手と受け手の3者の関係に発展してくる、これが今までと大きな違いだと思うんですよね。

内田嶺衣奈キャスター:そうですね。関わる人が、増えれば増える分だけ、SDGsに関心を持つ人も増えていきそうですね。

デロイト トーマツ グループ松江英夫氏:そうなんです。実際、こういうお土産を含むギフト、これの市場を見てみますと、全体の市場規模は横ばいなんですが、お土産のようなパーソナルギフト、これは年々増加していて、市場規模5兆円の成長市場なんですね。実は、この理由というのが、最近、SNSの発達とともに、こういった物を通じて、近しい人の間で、メッセージを交換したい、こういったニーズが強いところが1つあるんですね。

デロイト トーマツ グループ松江英夫氏:今回のように、SDGsの商品・物が出てきますと、こういったものを通じながら、SDGsという観点でのメッセージが自然と広がっていく、こんな素地が広がることが期待できる。つまり贈り手と受け手の新しい関係に発展することも期待できるんじゃないかなと思うんです。

内田嶺衣奈キャスター:確かにそうですね。私もコロナ禍で、中々、大事な人に会えない分、一度の贈り物というのを大切にするようになりました。パーソナルギフトが広まることは、もちろん作り手にとってもプラスですよね。

デロイト トーマツ グループ松江英夫氏:そうなんですね。実際、贈り手にとっては、人にあげるとなると、より商品を吟味しますし、中々、人にあげる物って、値切ることをしたがりませんから、作り手にとっては、価値を維持できて、価格も維持できる、こんなメリットもある。

デロイト トーマツ グループ松江英夫氏:つまり、贈り手と作り手の心理的な距離が縮まる、こんな関係性に発展すると思うんですよね。ですから、今回のようなお土産ということを通して、作り手と贈り手と受け手、この3者の好循環ができることによって、今までと違った形でSDGsが広がっていく、こんな展開に期待できるんじゃないかと思います。

内田嶺衣奈キャスター:はい、物を贈るということは、一緒に気持ちを贈るということでもあると思います。その気持ちに加えて、環境への配慮という思いも共有していけたらいいですね。

(「Live News α」10月22日放送分)