加藤綾子キャスター:記者のイチ押しのネタを集めた取材部ネタプレ。きょうは「昔も今も目と歯を大切に」について、 平松秀敏・解説委員です。

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平松秀敏・解説委員:昔から「目と歯を大切に」などと言われてきましたが、 残念ながら、私は、目が悪いし、歯もガタガタです。お恥ずかしいかぎりです。子どもの頃から、虫歯だらけで、 いつの間にかメガネをかけていました。

平松解説委員:ところで、今どきの子どもは、どうなのか? 実は、「目は悪いけど、良い歯」をしているんです。 まず、「目が悪い」いわゆる「視力の低下」についてですが、 これは過去最悪で、ずっと視力の低下が続いています。

平松解説委員:文部科学省の調査では、 裸眼の視力が1.0未満の割合は、1979年度が、 小学生は17.91%、中学生は35.19%でした。しかし、その後、右肩上がりで増え続け、20220年度は小学生の37.52%、 中学生の58.29%が、視力1.0未満でした。

平松解説委員:そうなると、当然、近視の子どもも多くなっているワケですが、 そもそも、近視の要因は2つあるとされています。 「遺伝的要因」と「環境要因」です。 遺伝的要因は、分かりやすいです。 私は、母も、祖父も、私の娘も、近視なので、 これは遺伝と思われます。

平松解説委員:一方で、環境要因として、 最近、特に問題視されているのが「近業(キンギョウ)」です。近業とは、30センチ以内の近い距離のものを見る作業のこと。スマホは画面が小さいからと、ついつい、目に近づけて見てしまいがちですよね。これが目に悪いんです。

平松解説委員:なぜ、近業が目に悪いのか、東京医科歯科大の大野京子教授によると「人の目は近くを見る場合も遠くを見る場合も、自動的にピントが合うようになっているが、近業の作業を長時間続ける事で、その状態でピントが合い、眼球が伸びて近視になりやすくなる」とのこと。

平松解説委員:さらに大野教授は「子供が自制することは難しいので、親や学校がしっかりと指導し、視力低下の一番の原因であるスマホやゲームの使用時間を減らす事が大切」「外で遊ぶなどして、近くのモノをずっと見続けず、遠くを見る習慣を取り入れると良い」と話しています。

加藤キャスター:今はいつでも、スマホ、タブレット等を見られる環境ですからね。でも、目を大切にする習慣は大事ですよね。

住田裕子・弁護士:はい、私自身も、習慣として、デスクワークで、パソコンをじっと見続ける、そんな仕事ですから。意識して窓の外を景色を見るようにしています。孫や子どもを見ていても(スマホやゲームの「近業」を)やりがちですから、時間制限が絶対必要だと思います。

加藤キャスター:遠くを見たりとか、近くを見たりとか、そういうことを意識してやらないといけないということですね。外を見て。

平松解説委員:一方で、子どもの視力が、年々、低下しているのに対して、逆に、年々、改善されてきているのが「虫歯」です。12歳時点で、虫歯になったことがある子どもの割合は、1979年度が最も悪く、およそ95%でした。

平松解説委員:ちょうど、この頃、私は子どもでしたが、みんな虫歯だらけでした。ところが、虫歯の子どもの割合は、年々、減少。なんと2020年度は、およそ40%で、半分以下に減りました。これは驚きですよね。

平松解説委員:そして、虫歯の子どもが減った要因の1つとされているのが「フッ化物洗口」。歯磨き粉などに含まれる“フッ化ナトリウム”などを含む液体で、うがいをすることです。ご覧のように、うがい薬は市販の薬局でも売られていて、虫歯予防になるんです。

平松解説委員:近年、学校単位で、この「フッ化物洗口」に取り組むケースが多く、これが、虫歯予防に、一役買っているとされています。おそらく、子どもがいるご家庭では、ご存じの人も多いんじゃないでしょうか。

平松解説委員:ところで、この「フッ化物洗口」は、ある村がキッカケで広まったんです。それが、人口およそ7800人の新潟県・弥彦村。一体どういうことか?実は、51年前、弥彦村から、新潟大学歯学部に『虫歯の本数を減らす方法を教えて欲しい』との相談が寄せられました。

平松解説委員:そこで新潟大歯学部は、弥彦村小学校で、全国で初めて、フッ化物洗口を指導します。その後、学校単位でのフッ化物洗口は、新潟県全域に拡大したんです。そのおかげなのか新潟県は、12歳時点で虫歯がある子どもの割合が、なんと20年連続、全国最少です。

平松解説委員:しかも、ぶっちぎりの少なさで、最も虫歯の子どもが多い沖縄県と比べると、3分の1程度に止まっています。この点について、新潟県健康づくり支援課の担当者は『弥彦村で始めたフッ化物洗口に効果があったため、新潟県全体で推進している』と話していました。

平松解説委員:さらに新潟県では、フッ化物洗口を行う市町村に、県から補助金なども出して支援しているとのこと。いずれにしろ全国で、虫歯の子どもが減り続けているのは、弥彦村のおかげと言っても過言ではないかもしれませんね。

加藤キャスター:そうですね。こうした取り組みから、今の状況があるんですね。

住田弁護士:私も、子どもの頃は、虫歯はなかったんですけど、その後、増えましたから、確か、あの頃は、フッ化ナトリウムか何かを塗布することはありましたけど、それが日常的ものになっているんですね。
平松解説委員:加藤さんは、歯がキレイですよね。

加藤キャスター:確か、小学生の時に、歯医者さんに勧められたことがあったんですよ。これで、クチュクチュするだけで、歯が丈夫になるよと。だから、やってたことはあるので・・・。
平松解説委員:きょうは目と歯についてお伝えしましたが、いずれにしろ、普段の生活習慣が大事だと思います。私は、もう手遅れですが・・・。

(「イット!」10月13日放送より)