東京・明治神宮で29日、高円宮家の三女・絢子さんと日本郵船に勤務する守谷慧さんの結婚式が行われた。

ひときわ目を引いたのは、絢子さんが着た衣装。そこには“家族への秘めたる思い”が込められているという。

 
 
この記事の画像(8枚)

「センチュリーロイヤル」で宮邸を後に

結婚式の約2時間前、高円宮邸には守谷さんの親族の姿があった。

夫となる守谷さんの使いが、妻となる絢子さんを迎えに上がるという儀式「入第の義」が行われた。

 
 

皇室制度に詳しい京都産業大学の所功名誉教授は、「明治以降、皇室ではお嫁さんのお家から、お婿さんのお家までご案内して連れてくるという形をとっていました。相手の家(皇室)に対しての敬意を表するという事です」と説明する。

その後、玄関前で母・久子さまと姉・承子さまに見送られ、絢子さんは、天皇陛下が差し遣わされたセンチュリーロイヤルで28年間暮らした宮邸を後にされた。

 
 

この車の意味を、フジテレビの皇室担当・橋本寿史解説委員は「センチュリーロイヤルは、海外の要人が来た時に使われる車。両陛下は、絢子さんの結婚式にも晩餐会にも出席されないんです。最後にお祝いを何らかの形でされたいという事で、センチュリーロイヤルを差し向けられたんだろうと思います」と話した。

曾祖母の代から受け継がれてきた衣装

明治神宮へ到着すると、参拝客の歓声を背に絢子さんを迎えた守谷さん。

目が合った瞬間には照れ笑いを見せていた。

 
 

鳥居の所で守谷さんの姿を見た時のことを絢子さんは「緊張しておりましたが、どういう風に見えているかなとドキドキしておりました」と振り返られた。

笑顔をたたえたまま、2人は式場となる神楽殿へ。

結婚式には皇族方のほか、両家の親族など約30人が参列し、一般の式でも行われる「固めの杯」や「指輪の交換」が行われた。

絢子さんの晴れ姿について守谷さんは「こういう衣装をされるというのは聞いてはおりましたが、実際に拝見するのは初めてだったので非常に美しいなと思いました」と語った。

 
 

平安時代から続く装束で「小袿」に「長袴」姿の絢子さん。

この衣装は遡ると、絢子さんの曾祖母に当たる大正天皇妃・貞明皇后から受け継がれ、次に三笠宮家に嫁がれた、祖母の百合子さまのもとへ。そして、4年前に結婚した姉の典子さんから、絢子さんへと受け継がれた。

結婚式には、95歳の祖母・百合子さまも参列されていた。

絢子さんは「両家の祖母たちが元気なうちに、こういう2人の晴れ姿というものを見せることが出来てとても嬉しく思います。私の家族に対する気持ちは、結婚したからといって変わるものではありません」と喜びを見せられた。

「なんと幸せなことなんだろう」

 
 

また、守谷さんの衣装にも絢子さんの思いが込められているという。

モーニング姿の守谷さんの手には、黒いシルクハット。これは絢子さんが12歳の時に亡くなった、父・高円宮さまのものだという。

提供:宮内庁
提供:宮内庁

絢子さんは「シルクハットは父の物をお貸ししているので、なにか凄く嬉しい気持ちでいっぱいです。父がここにいないことが、とても残念ではありますが、父もきっとこの結婚を喜んでいると思いますし、父と母のような夫婦になれる努力をしていきますと、伝えたいと思います」と話された。

29日午後には婚姻届を提出し、皇族の身分を離れて守谷姓となった絢子さん。

今の幸せについて絢子さんは「明治神宮に多くの方にいらしていただいて、ご祝福頂まして“なんと幸せなことなんだろう”と、かみしめております」と表現された。

結婚式を無事に終えた絢子さんと守谷さん。

30日夜は、皇太子ご夫妻など皇族方や安倍首相を招いた披露晩餐会が都内のホテルで催されるという。

(「めざましテレビ」10月30日放送分より)