持続可能でよりよい世界を目指す国際目標、SDGs(Sustainable Development Goals)。
目標の1つとなっている「安全な水」について、岩手・花巻市でミネラルウォーターを生産している大手飲料メーカーのおいしさと安全を守るための取り組みを追った。

工場内の井戸でくみ上げた水を使用…知られざる生産の裏側

岩手・花巻市を流れる豊沢川の上流には、奥羽山脈を水源に湧く清らかな水が流れている。
この地域の水が、大手飲料メーカーのミネラルウォーターの生産にも利用されている。

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80種類もの商品をつくる、みちのくコカ・コーラボトリングの花巻工場。

普段、飲み物を飲むのに身近なのが飲料メーカーの商品。企業はどのように安心安全を守っているのだろうか。

コカ・コーラの「い・ろ・は・す」は、全国7カ所の水源から水が採られているが、花巻工場では2016年に製造を始め、現在、年間2,200万本を生産している。
工場内に井戸があり、地下50メートルからくみ上げた水を「い・ろ・は・す」の製造に使っている。

みちのくコカ・コーラボトリング 片谷雅樹 花巻工場長:
日本の国内法よりも厳しい基準が設けられていて、全世界で同じ味の飲み物を提供できるように厳しく管理している

水は、7種類のフィルターでろ過するなどの処理が行われるが、品質管理は「KORE」と呼ばれる独自の基準に沿って厳格に行われる。国の水道法で定められているチェック項目が51個なのに対し、「KORE」では、その3倍近い144もの項目が設けられている。

また、近年は工場で製品の洗浄などに使う水の節約にも力をいれている。
ペットボトルの殺菌設備は、従来は水を使っていたが、5年前に水を一切使わない最新の設備を導入した。これにより、10年前(2010年)は、1リットルの製品をつくるのに約8リットルの水が必要だったのに対し、現在は半分の4リットルにまで削減している。

そして、工場からの排水についても、さまざまな処理をしたうえで、無害な状態にしてから川に返している。

みちのくコカ・コーラボトリング 片谷雅樹 花巻工場長:
自然の恵みである水を借りて仕事をしているので、借りたものはそのままお返しするという精神で仕事をしている

さらに、おいしい水を守るため、地道な取り組みも進めていた。 
飲料水を作るのにはきれいな水が必要になるが、その水を育んでいるのが “森”。豊沢川上流にある森は、みちのくコカ・コーラボトリングが、毎年 地元の人たちとともに植樹をして育てている。

この地域で農業用水などの管理を行っている豊沢川土地改良区の伊藤太希さんは、森を育てる意味をこう話す。

豊沢川土地改良区 伊藤太希さん:
森林は、大きく発達すると水を蓄えます

雨や雪として地面に降り注いだ水は森の土の中に浸み込み、じっくりとろ過される。この時、土の中にあるミネラルも一緒に溶け込みながら、少しずつ川に流れていく。
こうした森の営みが、「い・ろ・は・す」の生産には欠かせないのだ。

豊沢川土地改良区 伊藤太希さん:
みんなが協力してこの森林を整備しているおかげで、おいしい伏流水になって、おいしい水が飲めています

みちのくコカ・コーラボトリングでは、これからも地域とともに歩み続けたいとしている。

みちのくコカ・コーラボトリング 浅井勇貴さん:
さまざまな企業や団体と一緒に活動をしながら、地域住民のみなさまに関心を持ってもらいながら、今後も地球を守ることに関心を高めてもらい、コカ・コーラ社製品に親しんで、一緒に楽しく活動を続けていければ

豊かな自然が育んだ水を多くの人に届けるため、そして守り続けるために、切れ目のない綿密な取り組みが花巻で行われている。

(岩手めんこいテレビ)