基礎疾患がなくても「肥満」はリスクにつながる

名古屋市は9月6日、新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養していた30代の男性が死亡したことを発表した。男性は重症化リスクが高いといわれる「肥満」だったという。

専門家に肥満のリスクについて聞いた。

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名古屋市によると、市内に住む30代男性は8月29日に感染が判明し、当時の症状は39℃台の発熱のみだったため「軽症」と判断され、自宅療養を続けていた。

しかし、9月3日から男性と連絡がとれなくなり、職場の上司が9月5日に男性の家を訪れたところ、亡くなっていたという。

男性は1人暮らしでワクチンは接種しておらず、基礎疾患はなかったが、重症化のリスクが高い「肥満」だったとのこと。

どの程度の肥満でリスクが高くなるのか、愛知県がんセンター病院の伊東医師に聞いた。

世界の研究の中で「BMIの数値が30以上」というのが、重症化リスクが高くなる線引きとなっているとのこと。BMIは「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で導かれる数値で、数字が大きいほど肥満となる。

また、肥満が重症化につながる要因として、以下の理由が挙げられるという。

・肥満はもともと血液が固まったり血管が詰まったりしやすく、感染でさらに悪化する可能性がある
・糖尿病や高血圧などの病気を持っていることが多く、症状に悪影響を及ぼしやすい
・内臓脂肪の過剰な蓄積によって横隔膜の動きを妨げ、呼吸器症状を悪化させる

こうした点を踏まえ、伊東医師は「コロナ太りが多くなってきているので、感染対策を行いつつも運動を心がけてほしい」と話している。

(東海テレビ)

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