定年後のプランをどう考えるか

定年後も働きたいと考えている人が6割以上いることがわかった。

日本生命保険が実施したセカンドライフに関するアンケート調査によると、「定年後も仕事を続けたい」と答えた人は全世代で62.9%にのぼった。

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年齢が高い人ほど「現在の仕事を続けたい」と答えた一方、「働かず違うことをしたい」と答えたのは若い世代ほど多く、20代以下では45.2%だった。

一方、ゆとりあるセカンドライフに必要だと思う夫婦の生活費は、月額平均で29.3万円と現在の生活費より4.5万円高いことがわかった。

また、セカンドライフが始まるまでに貯めておきたい金額の平均は3622万円と、2020年度と比べて589万円増えた。

“依存できるコミュニティー” づくりを

小澤陽子キャスター:
社員全員がリモートワークで働くスタートアップ企業の石倉秀明さんに聞きます。6割以上の方が定年後も働きたいとしていますが、どうご覧になりましたか?

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
2つの側面があると思います。1つは年齢を重ねても社会との接点を持ったり、新たなスキルや経験を手にすることに前向きな人が多いという側面。

もう1つは、老後のお金を心配したり、社会とのつながりがなくなることに不安を感じるという側面。調査でも老後に貯めておきたい金額が2割近く増えているのは、そういうことではないかと思います。

小澤陽子キャスター:
多様な働き方が広がる中、セカンドライフを含めた"幸せの在り方"について、改めて考えてみるのもいいかもしれませんね。

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
これからの時代は「長時間」ではなく 「長期間」働くことが当たり前になります。その中で、心と収入のバランスをとるための「依存できるコミュニティーを増やせるかどうか」がポイントになってくると思います。具体的には、自分の中で会社や家庭での顔を持つだけではなくて、例えば、副業先や趣味、地域や近所などでのつながりなど、様々な顔を持つことが非常に大事になると思います。

依存できるコミュニティーが多ければ多いほど、あるコミュニティーでうまくいっていないときでも、 別のコミュニティーでうまくいっていればトータルでバランスが取れ、人生の充実と安定につながると思います。

小澤陽子キャスター:
「依存できるコミュニティ-」を増やすためには、どうしたらいいのでしょうか?

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
新しい仕事にチャレンジしたり、興味あることの学び直しや趣味を広げるなど、仕事や家庭以外の活動を増やして居場所をつくっていくことだと思います。

そのために企業がやるべきは、働き方を変えたり、テレワークを定着させたり、個人個人が仕事や家庭以外の居場所を増やしていけるような時間作りのサポートだと思います。そういった企業に今後は人が集まってくると思います。

小澤陽子キャスター:
私もシンガポールで半年間、インターンシップで働いた経験があります。海外では仕事と生活のバランスの取り方がうまくて、それが尊重されている印象を受けました。日本でもテレワークなど新しい働き方が始まっていますが、それぞれが自分の意志を持って人生を設計するチャンスが広がっていけばと思います。

(「Live News α」9月15日放送分)