タッチペンにも対応

世界で初めて防水機能を備えたという折りたたみ型スマホが日本に上陸した。

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サムスン電子ジャパンが発表した、折りたためるスマホは、タブレットのように使うことができ、最大3つのアプリを同時に起動できる。

テレワークが広がる中、オンライン会議をしながら複数の作業をすることも可能で、タッチペンにも対応している。

折りたたみ携帯では世界初となる防水機能も備えている。

折りたたみスマホ市場が今後2年で10倍になるとも言われる中、多機能を打ち出し、シェアを広げたい考えだ。

「キャズム」を越えてメインストリーム市場へ

三田友梨佳キャスター:
マーケティングや消費者行動などを研究されている一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さんに聞きます。
ギャラクシーの新しい折りたたみスマホは、マーケティングの視点からはどう映りますか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
これまで折りたたみスマホは「新しいもの好き」を対象にした小さな初期市場をターゲットにしてきましたが、いよいよ「安心感」をバネにユーザーを大きく増やしてメインストリーム市場をとりにいっている印象を受けます。

そのためには越えなければならない溝があり、これをマーケティングでは「キャズム」と呼びます。

三田友梨佳キャスター:
越えなければならない溝「キャズム」ですか?

鈴木智子さん:
新しい製品やサービスの普及はまず、2.5%しかいない最初に革新的な製品やサービスに飛びつく「冒険的な方たち」に支持されるところから始まります。

次に、13.5%を占める、自主的に情報を集めて、良い・悪いの判断を行える方たちが続きます。
例えば、SNSの多くが「キャズム」を越えることが出来なかった中、FacebookやTwitterは実名や顔写真を載せることに抵抗のない有名人などが始めたことで、サービスに「安心感」が生まれ一般の方たちが追随することになりました。

さらに、流行っているから私もやる、という模倣する方がブームに乗っかり、あわせて64%のメインストリーム市場を席巻しました。

三田キャスター:
そのメインストリーム市場で普及していくためには、それだけの魅力が必要だと思いますが、今回の折りたたみスマホはその辺りは盛り込まれているのでしょうか?

鈴木智子さん:
メインストリーム市場で購買行動を促す鍵は「安心感」です。
これまでの折りたたみスマホで最大の弱点とされた耐久性を大幅に向上させるなど、スマホとしての使いやすさをグンと増しました。

さらに、iPhoneなど既存のハイエンドモデルにコストパフォーマンスで劣らない価格を実現しています。
こうした新製品の普及を通して、消費者の生活をより便利に、より豊かにしてくれる新しいイノベーションの創造に期待したいです。

三田キャスター:
新たな折りたたみスマホが普及したら、今度はまたその特徴を活かせるコンテンツの創出が続くことも期待されますし、市場が活性化することでスマホ業界にさらなる革新が生まれていくのかもしれません。

(「Live News α」9月8日放送分)