“片貝花火”で有名な新潟・小千谷市片貝地区で誕生した、見て・食べて・楽しめる和菓子を紹介。

プチっと楽しくなる仕掛け

直径800m以上に広がる特大の花火・四尺玉。毎年9月に新潟・小千谷市の片貝まつりで打ち上がる。

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この花火の街・片貝地区で、125年前から煉羊羹を作り続けている「本丸池田屋」。ここの人気商品の一つが、ゼリーや羊羹を花火の花弁となる火薬に見立てた“玉花火”。

つまようじで、グッと力を入れて差し込んでいくと、花火のように、ゴムがプチッと弾ける。見た目だけでなく、食べるときにも楽しくなる仕掛けが施されている。

本丸池田屋 六代目当主・本田啓邦さん:
思い出にしていただけるお菓子になっている

こう話すのは、六代目の本田啓邦さん。こだわりが詰まっている、その工程を見せてもらった。

本丸池田屋 六代目当主・本田啓邦さん:
砂糖の種類にはすごくこだわりを持っている。甘味度・お菓子の硬さを出す、色々な用途で使いわける

ゴムを結ぶのはわずか6秒…職人技

7種類の砂糖をフレーバーごとに使い分け、鍋で熱していく。厨房にはエアコンがないので、真夏は過酷な中での作業。

杉山萌奈アナウンサー:
ここの気温は38.4℃。しかも湿度は80%を超えています

エアコンがなく夏は過酷な厨房
エアコンがなく夏は過酷な厨房

続いて、熱したゼリーや羊羹をすぐに機械へ入れ、ゴムの中へと流し込んでいく。

ゴムの中に流し込む様子
ゴムの中に流し込む様子

本丸池田屋 六代目当主・本田啓邦さん:
早い作業でパッとやらないと火傷しちゃう

杉山萌奈アナウンサー:
ゴムの上を持たないと熱くて、手のひらに乗せていられない

熱いまま作業することで殺菌され、保存期間が長くなるそう。ゴムの口を結ぶまで、1個あたりわずか6秒と職人技。

教えてもらいながら杉山アナウンサーも挑戦してみるが…

本丸池田屋 六代目当主・本田啓邦さん:
引っ張る、ぐ~っと引っ張る

杉山萌奈アナウンサー:
あ~…

失敗する杉山アナウンサー
失敗する杉山アナウンサー

本丸池田屋 六代目当主・本田啓邦さん:
失敗です

ゴムの改良など何度も試行錯誤し、商品の開発には10年の月日を要したという。また、地元の花火職人の協力も得て、パッケージには本物の花火玉と同じ玉皮を使用。

片貝の職人の思いが詰まった玉花火の味は…

杉山萌奈アナウンサー:
甘さ控えめで、すっきりとした味わいです。さすが羊羹専門店の味。小豆がおいしい。濃厚です

片貝花火への思いを募らせる職人たち

しかし、新型コロナウイルスの影響で2020年の片貝まつりは中止となり、玉花火の売上も大幅に減少した。

本丸池田屋 六代目当主・本田啓邦さん:
やっぱり花火が上がらないので、上がらないことには売れない

この玉花火の製作に協力した花火職人も、花火への思いを募らせている。

片貝煙火工業・本田正憲社長:
もし花火大会がもとに戻ってきたら、見ていただきたい。見せたい!そういう気持ち

本丸池田屋 六代目当主・本田啓邦さん:
花火あっての街のお菓子なので、花火が上がるかぎり売っていきたい

2021年も全国で花火大会の中止が相次ぐ中、花火の街で生まれた、見て・食べて・楽しめる玉花火を自宅で味わってみてはいかがだろうか?

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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