地上104メートルでぶどう収穫 今年で21回目

都内では、30度を超える厳しい暑さがまだまだ続く中、都心の思わぬところで、たわわに実った秋の味覚が一足早く、収穫された。

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ぶどうが実ったのは、都心の一等地・港区赤坂で、オフィスや住居が入る25階建てのビルの屋上。地上104メートル。周囲には高層ビルが立ち並び、近くには首都高速都心環状線も通る。そんな中、屋上のテラスには、巨峰やロザリオと言ったぶどうの他に、オリーブなど常時およそ100種類の植物が栽培されている。

ヒートアイランド現象緩和など都市緑化の一環として始められたもので、ぶどうの収穫は、ビルが建てられた2000年以降、毎年行われている。
今年は、台風による暴風や8月の酷暑など異常気象に見舞われ、出来栄えが心配された。しかし例年よりも10房ほど少ないものの、およそ60房のぶどうが実り、4年連続、無農薬で収穫を迎えることができた。

管理している石本亜矢子さん(有限会社「風のみどり塾」
管理している石本亜矢子さん(有限会社「風のみどり塾」

管理している石本亜矢子さん:
先週、台風が来て、その後の強い吹き返しがぶどうに当たり、
かなり揺すられて下に落ちてしまった。
例年より数は少ないが、長雨だった割には、ちゃんと育ってくれた。
粒の大きさも、すごくキレイにできている。
植えた時より、季節的には、環境が厳しくなってきている。ここ数年は、特にそう感じる。
そういう意味では、ぶどうにとってはストレスが大きくて、大変なんだろう。

高層ビル屋上の”癒やし” その味は・・・

石本さんによると、長い年月の経過とともに、近年の異常気象の影響もあり、枝の伸び方に元気がなくなったり、実つきが、少し落ちてきているとのこと。

緑の少ない都心で、雨にも負けず、風にも負けず育った都会のぶどうは、ビルの入居者やオフィスに勤務する人たちの休憩や、ランチのひとときに“癒やし”を与えてくれている。

と最後に、気になる味について聞いたところ、「成長を感じるためのもの」で基本的には観賞用とのこと。ただ、スーパーで売られているぶどうほどではないものの、甘くて濃いらしい。

滝澤教子
滝澤教子

フジテレビ社会部 国土交通省担当 元厚生労働省担当