オリンピック会場で数少ないオープンな試合会場、有明アーバンスポーツパーク。

ここでは、新たにオリンピック競技として加わったスケートボードやBMX種目など、多くの関心や注目が集まる競技が行われていた。

7月30日、日本人選手は出場していなかったものの、会場近くまでわざわざ見に来る人の姿が多く見えた。無観客なのになぜなのか?

競技を見ようと橋の上に集まった人々
競技を見ようと橋の上に集まった人々
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実はこの会場、ゆりかもめの駅のホームから、会場近くのフェンス越しから、そして橋の上から、なんと競技が“見えて”しまうのだ。

そこにはカメラを持った手を高く上げて、目の前で繰り広げられている競技の撮影を試みる“観客たち”がいた。

カメラを構え競技の様子を撮影
カメラを構え競技の様子を撮影

会場からの距離は約300メートル。だが、肉眼でもはっきり競技するアスリートの姿を捉えることができる。

日本人だけでなく、国旗を持って応援する外国人の姿もあった。

国旗を持って応援する外国人たち
国旗を持って応援する外国人たち

有明テニスの森駅の駅員によると、競技に合わせてシフトが作られ、警備人員、駅員も増員されたという。29日の時点では大きな問題はないと言っていた。

実際に駅から競技を見ていた人に話を聞くと、「友達がSNSであげていたから気になったので一目見ようと。かっこよかった。やっぱりテレビで見るのとは違う」「自分が生きているうちに競技をやっているのに見られないのはちょっと、と思って…ライブで見られるのはやっぱりいいですね」などの声が聞かれた。

「自分たちが生きているうちにある東京オリンピックは、今回が最後だと思ったから見に来た。こっち(有明)に引っ越して5年になるが、この日をずっと待っていた。この競技だったら見られるかも!と思ってここに」

そう話してくれたのは、近くに住むご夫婦。

有明テニスの森駅にも応援する多くの人の姿があった
有明テニスの森駅にも応援する多くの人の姿があった

57年ぶりの東京オリンピックの開催自体も批判する人は多い。

1日あたりの感染者数が1万人を超え、政府や都からは「五輪はステイホームで」と呼びかけられている中、この光景には疑問を抱く人もいるだろう。

しかし、この光景が現実だった。

人生で最後かもしれない東京オリンピックをこの目でみたい…。試合を見つめる“観客”はマスクを着けたまま、大きな声を出さず「ナイスプレー!」と小さく声を出し応援していた。

選手からもしっかりと見える位置からの応援は、アスリートの目にもしっかり映ったはずだ。

(フジテレビ五輪取材団 長島理紗)

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