東京オリンピックでは記録・記憶ともに素晴らしい戦いが続いているが、長崎県の水族館では常識をはるかに超えたタコが金メダル級の注目を集めているようだ。
展示されたこちらのタコは一見普通のようだがよく見ると…なんと足が36本もあるのだ。
これは長崎県佐世保市にある九十九島水族館「海きらら」で、九十九島周辺にすむ生きものを紹介するコーナーに展示されているマダコ。
同じ種類のタコであれば普通はもちろん8本足なのだが、このタコは足の先が何本にも分かれているのだ。
【お魚飼育係のつぶやき扁】#九十九島 周辺にすむ生きものを
— 九十九島パールシーリゾート (@kujukushima) June 22, 2021
展示しているエリアで#マダコ 🐙の展示を開始しました✨
通常のマダコはあしが8本ですが、
この個体はちょっと違うようです🤔
ぜひ、数えてみてください🔎
それでは、
今日も一日お疲れ様でした!#企業公式がお疲れ様を言い合う pic.twitter.com/BgMVcPtO37
水族館がある施設の公式Twitterは「足の数を数えてみて」などと投稿しているが、うねうねと動く足の数えるのは至難の業。数えるのも金メダル級の視力と努力が必要になりそうだ。
それにしても、なぜ足がこんなに増えたのか?そして、普通の4倍以上もある足を、ちゃんと使いこなしているのだろうか?
水族館の担当者に聞いてみた。
飼育員も「鳥肌が…」「度肝を抜かれた」
――36本足のタコは、いつどこからやってきた?
6月2日に九十九島北部の八木島で捕獲され、水族館に寄贈されました。
――最初に見たときの印象は?
大変驚きました。また、足が多すぎて少し鳥肌が立ちました。別のスタッフは「度肝を抜かれた」と言っていました。

――36本足のタコの足の数は、どうやって数えたの?
浅いバット(平たい容器)に移動し、スタッフが写真を撮りながら足を1本ずつ数えました。
――なぜ足が多くなったの?
タコの足は魚などに食いちぎられても再生し、まれに複数再生する例もありますが、突然変異なのか生まれつきなのかはわかりません。
「使いこなしているのではないかと思います」
――36本の足はちゃんと使いこなしている?
先端まで絡まることなく動かしているので使いこなしているのではないかと思います。
――足の根元は8本で途中から枝分かれしているということ?
途中で枝分かれしているのもありますが、ほとんどは先端で枝分かれしています。中には1本だけ枝分かれしていたり、5本以上分かれたりなどしています。

――足の多いタコは、生きるのに有利なの?不利なの?
詳しくはわかりませんが、足が多いことで魚などのエサを捕まえる時などは普通種に比べ有利なのではないかと思います。
――エサを食べる動きは普通のタコと違う?
足を広げた時に本数が多いのでとてもインパクトがあります。
――エサを食べる様子は、いつ水族館に行けば見られる?
餌やりの時間は毎週月・水・金曜日の正午前後です。この時間帯に見に来ていただければ見られるかと思います。
――36本足のタコを見たお客さんの反応は?
驚いているお客様を多く見かけます。生きた状態で展示できているのは貴重なので是非、多くのお客様に見ていただきたいです。

なお、こちらのタコの年齢ははっきりとは分からないものの、1.5~2才ぐらいではないかとのことだ。
水族館のスタッフが「度肝を抜かれた」と話す珍しいタコを、ぜひとも直接見てみたいものだ。
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