非接触でも温もりを大切に

お店で働いているのは、体に障害がある人が遠隔で操作する分身ロボット。
モスバーガーが7月28日から都内の店舗で実験導入するのは、コミュニケーションができ、移動できる分身ロボット「OriHime Porter」。

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メニューを注文すると、席まで運んで接客してくれる。

このロボットは、難病のため1人で外出が難しく、働くことを諦めていたという女性が遠隔で会話し、操作している。

脊髄性筋萎縮症酒井麻椰さん:
動けるお仕事で、自分の体じゃできない仕事なのですごくうれしいです。こういうお仕事ができて。

モスフードサービスは、就労支援や人手不足解消に繋がるほか、非接触ながらも温かみのある接客ができるとしている。

接客評価され他企業への引き抜きも

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて、IoTNEWS代表の小泉耕二さんに聞きます。
これまでさまざまなロボットが社会に進出していますが、今回のロボットはそれとはまた少し違うみたいですね。

IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
多くのロボットは人手不足などの課題解決に向けて、どれだけ人間の代わりに自律的に動いてくれるのかが問われてきました。
一方で今回の「OriHime」は、重い障害のある方が分身ロボットの操作を通して、広い世界で活躍して欲しいといった思いから作られています。

具体的には、外出が困難な重い障害のある方が、ロボットを遠隔操作するパイロットになることで仲間と働いたり、会いたい人に会いに行ける、そんな社会を目指しているとも言えます。
テクノロジーの活用はどこか人間らしさを失うイメージが付きまといますが、この試みはロボットに人の温かみを与えていると思います。

三田キャスター:
温もりも感じますね。
そして、誰もが必要とされる場所が見付かるというのは大切なことですよね

小泉耕二氏:
ロボットを通して行う接客サービスが評価されて、うちで働きませんか?と他の企業に引き抜かれて、チーズケーキ屋とか企業の受付などで「OriHime」と共に働き出す障害者の方も登場しているといいます。
今後例えば、目だけしか動かない方が視線で操作できるキーボードを使って入力したテキストを、自然な音声に変換する音声合成技術を使うことで「OriHime」を操作して、実際の接客をすることも可能になると思います。

ハンディのある方が、テクノロジーの力を使って社会での活躍が広がる。
そんな新しい未来を期待したいと思います。

三田キャスター:
テクノロジーの活用によって働く場所が増えたり、選択肢が増えることは良いことだと思いますし、誰もがしっかり働けて、キャリアを築いて行かれる取り組みが広がることを期待したいです。

(「Live News α」7月27日放送分)